前後両面に観音開きの扉を設けた、やや横長で丈の低い厨子。黒柿材製で、材の木目が際立った美しさをみせる。下方には前後面に各二、左右面に各一の香狭間(こうざま)を透かした床脚(しょうきゃく)を具(そな)える。内部は棚板(たないた)一枚を取り付けて上下二段に分かつ。前後両面の扉は、魚々子地(ななこじ)に宝相華文(ほうそうげもん)を線刻した金銅製の蝶番(ちょうつがい)で厨子本体と繋着(けいちゃく)され、扉中央の壺金具に鏁子(さす)(錠前)を通して施錠(せじょう)する仕組みになっている。各面の縁や側板(がわいた)には魚々子地唐草文(からくさもん)の金銅製の飾金具や、同じく金銅製の星形鋲(びょう)が要所に打たれ、簡素ななかにも装飾的なアクセントを加えている。
模造を手がけた竹内碧外(たけうちへきがい)は、唐木(からき)(紫檀(したん)、黒檀(こくたん)などの南方系の硬木)細工や指物(さしもの)、刳物(くりもの)、彫物(ほりもの)など幅広い領域に才を示した木工芸家として知られる。本品は碧外晩年の作であるが、自らが昭和初期頃から所持していたという丹波産の黒柿の優良材がここにいたって用いられており、本品の製作にかける碧外の並々ならぬ思いがうかがわれる。
(三本周作)
よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, p.115, no.80.
くろがきりょうめんずし(しょうそういんほうもつもぞう) 黒柿両面厨子(正倉院宝物模造)
1基
木製 クロガキ材 銅製 鍍金(金具)
高52.0 縦45.0 横65.5
工芸
昭和 20世紀
- D000865
- D036773
- 1995/06/27
- 斜全体
- D000865
- 斜全景
- A023799
- 斜全景
- A023800
- 斜全景
- A023802
- 斜全景
- A023803
- 正面(扉閉)
- A023805
- 正面(片面扉開)
- A023806
- 斜全景(両面扉開)
- A023807
- 正面左斜上金具部分
- A023808
- 正面中央下(さす周辺部分)
- A023809
- さす(取り外した状態)
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| 収蔵品番号 | 1136-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 工芸 |
| 部門番号 | 工234 H |
| 文 献 | よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, 223p.模造にみる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2005. |

