特別陳列
わくわくびじゅつギャラリー
いのりの世界のどうぶつえん
この展覧会は、仏教美術の中から、動物や想像上の生き物を表し、描いた作品を集めてご紹介するものです。「どうぶつたち」はなぜ、仏や神の世界にさかんに登場するのか、その秘密に迫ります。また、日本で仏教美術が本格的に生み出される以前の、くらしの中のいのりに関わる動物造形も合わせてご紹介します。
展覧会場には、お子様から大人まで、わくわくしながら鑑賞していただけるよう、様々な工夫をこらしています。博物館・美術館デビューのきっかけや夏休みの自由研究として、また、仏教美術に親しむ第一歩として、存分にお楽しみください!

会期
令和元年(2019)7月13日(土)~9月8日(日)
会場
奈良国立博物館 東新館
休館日
毎週月曜日、7月16日(火)
※ただし7月15日、8月5日、12日は開館
開館時間
午前9時30分~午後6時
※ただし、金・土曜日は午後8時まで
8月5日(月)~8日(木)、11日(日・祝)~15日(木)は午後7時まで、8月9日(金)、10日(土)は午後9時まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
観覧料金
一般 | 大学生 | |
---|---|---|
個人 | 520円 | 260円 |
団体 | 410円 | 210円 |
- 高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
- 団体料金は20名以上です。
- 高校生以下および18歳未満の方と一緒に観覧される方は、団体料金を適用します。[親子割引]
- 開館時間延長日の午後5時以降に観覧される方は、団体料金を適用します。[レイト割引]
- この観覧料金で、同時開催の特別陳列「法徳寺の仏像」(西新館)、名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)・「珠玉の仏たち」(なら仏像館)・中国古代青銅器[坂本コレクション](青銅器館)もご覧になれます。
- 9月1日(日)は関西文化の日プラスのため入館は無料です。
展覧会図録
152ページ 1,000円
*地下ミュージアムショップにて販売いたします 。
*図録の購入はこちらへ

関連イベント
親子講座「どうぶつえんのわくわくガイド」
- 日時:7月27日(土) ①10:30~11:15 ②13:30~14:15
- 講師:中川あや(当館学芸部主任研究員)
- 会場:当館講堂
- 対象:小・中学生とその保護者
- 定員:各回30組(申込先着順)
募集を終了いたしました。
絵本づくりワークショップ「とびだす!うごく!いのりの世界のどうぶつ」
- 日時:8月17日(土) ①10:00~12:00 「パクパク神虫」 ②13:30~15:30 「フワリと神鹿」
- 会場:当館地下回廊
- 対象:小・中学生とその保護者
- 定員:各回18組(申込先着順)
募集を終了いたしました。
シャトルバス
奈良国立博物館と平城宮跡資料館をつなぐ、無料シャトルバスを運行します。
運行期間: 7月13日(土)~9月8日(日)
発着スケジュール
平城宮跡資料館 発 10時30分、14時00分
奈良国立博物館 発 11時30分、15時00分
出陳品
出陳品 65件(うち国宝5件、重要文化財18件)
主催
奈良国立博物館、文化庁、独立行政法人 日本芸術文化振興会
共催
奈良文化財研究所
協力
仏教美術協会
チラシ
主な出陳品

[いぬがたはにわ]
当館
土製 高41.2㎝
古墳時代(6世紀)
古墳の被葬者(ひそうしゃ)のために墳丘(ふんきゅう)や古墳の周囲に立て並べられた動物埴輪の一種。狩人や猪を表した埴輪と共に立てられ、猪狩りの場面を表すことが多く行われました。本作品は、猟犬にしては体に緊張感がなく、表情もあどけなさがあります。埴輪作りのおおらかさが感じられる作品です。

[しゃかさんぞんぞう]
当館
絹本著色 各縦117.0㎝ 横58.2㎝
鎌倉時代(14世紀)
※前期展示(7/13~8/18)
※画像は普賢菩薩
獅子が顔をのぞかせる宝壇(ほうだん)上に坐す釈迦如来と、獅子に乗る文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、六牙の白象に乗る普賢菩薩(ふげんぼさつ)を各一幅に描きます。獅子のモデルとなったライオンはインドにおいて偉人の威厳を象徴する動物でした。文殊菩薩が獅子に乗るのは、インドから砂漠を越えて、文殊の聖地として信仰を集めた中国・五台山に遊行(ゆぎょう)する姿を表したともいわれます。象は陸上で一番大きな動物であり、仏教ではときおり生まれる白色の象が神聖なものとして大切にされました。釈迦の面長(おもなが)な面貌や長い爪などに中国・宋からの濃厚な影響がうかがわれる作品です。

[しゃかさんぞんぞう]
当館
絹本著色 各縦117.0㎝ 横58.2㎝
鎌倉時代(14世紀)
※前期展示(7/13~8/18)
※画像は釈迦如来
獅子が顔をのぞかせる宝壇(ほうだん)上に坐す釈迦如来と、獅子に乗る文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、六牙の白象に乗る普賢菩薩(ふげんぼさつ)を各一幅に描きます。獅子のモデルとなったライオンはインドにおいて偉人の威厳を象徴する動物でした。文殊菩薩が獅子に乗るのは、インドから砂漠を越えて、文殊の聖地として信仰を集めた中国・五台山に遊行(ゆぎょう)する姿を表したともいわれます。象は陸上で一番大きな動物であり、仏教ではときおり生まれる白色の象が神聖なものとして大切にされました。釈迦の面長(おもなが)な面貌や長い爪などに中国・宋からの濃厚な影響がうかがわれる作品です。

[しゃかさんぞんぞう ]
当館
絹本著色 各縦117.0㎝ 横58.2㎝
鎌倉時代(14世紀)
※前期展示(7/13~8/18)
※画像は文殊菩薩
獅子が顔をのぞかせる宝壇(ほうだん)上に坐す釈迦如来と、獅子に乗る文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、六牙の白象に乗る普賢菩薩(ふげんぼさつ)を各一幅に描きます。獅子のモデルとなったライオンはインドにおいて偉人の威厳を象徴する動物でした。文殊菩薩が獅子に乗るのは、インドから砂漠を越えて、文殊の聖地として信仰を集めた中国・五台山に遊行(ゆぎょう)する姿を表したともいわれます。象は陸上で一番大きな動物であり、仏教ではときおり生まれる白色の象が神聖なものとして大切にされました。釈迦の面長(おもなが)な面貌や長い爪などに中国・宋からの濃厚な影響がうかがわれる作品です。

[くじゃくみょうおうぞう]
奈良・法隆寺
絹本著色 縦118.5㎝ 横82.0㎝
鎌倉時代(13世紀)
※後期展示(8/20~9/8)
孔雀明王は、毒蛇を食べる孔雀を神格化したもので、人々の執着や憎しみなどのあらゆる毒を消し去り、災いを取り除く特別な力をもつほとけとして篤く信仰されてきました。明王の長く伸びた爪先や、身体に施される強い赤色の隈(くま)どりなど、中国大陸の仏画に顕著に見られる特徴を示しています。

[かすがしかまんだら]
当館
絹本著色 縦76.5㎝ 横40.5㎝
鎌倉時代(14世紀)
※前期展示(7/13~8/18)
春日大社の境内の風景のなかに白い鹿が雲に乗って浮かび、鹿の鞍(くら)から伸びた榊(さかき)の木の先に金色に輝くほとけの姿が表された幻想的な絵画。ここに描かれるほとけは、春日大社にまつられる神さまがほとけの姿で現れたもので、榊の木は神さまが移動する際に乗り移る神聖な木です。このことから、鹿が神さまの乗りものとして表されていることがわかります。

[じゅうにしんしょうりゅうぞう]
奈良・東大寺
木造 彩色・截金 像高95.0~110.6㎝
平安時代(12世紀)
※画像は十二神将立像のうち子神(部分)
十二神将は薬師如来(やくしにょらい)の信者を守護する役割をもつ十二の大将。当初、十二神将と十二支とは無関係でしたが、十二という数字の一致から、おおよそ平安時代後期に両者が合体すると考えられます。本作品は、このことが確かめられる最古の作品です。頭頂および腹部に動物が明確に表されており、その多くが当初のものであることはたいへん貴重です。

[ぶつねはんず]
個人
絹本著色 縦170.2㎝ 横137.7㎝
鎌倉時代(14世紀)
仏教の開祖・釈迦(しゃか)の死(涅槃)の情景を絵画化したものです。毎年、釈迦入滅(にゅうめつ)の日とされる2月15日に、仏教信者が釈迦の涅槃を追体験する儀式としてとり行われる涅槃会(ねはんえ)で本尊画像として用いられました。横たわる釈迦の周りには、釈迦の死という現実を前に悲嘆にくれる菩薩(ぼさつ)や天部、釈迦の弟子、王や貴族、庶民たちのほか、あまたの動物たちがそれぞれに悲しむ姿が描かれています。

[かりょうびんがもんすかしぼりけまん]
岩手・中尊寺金色院
銅製 鍛造 鍍金 縦29.3㎝ 横33.7㎝
平安時代(12世紀)
華鬘は寺堂の長押(なげし)などに懸けて、堂内を荘厳(しょうごん)するための用具です。本来は生花を繋いだものとされますが、耐久性の面から、金属や獣皮、木などで作製されるようになりました。本作品に表されたのは上半身が人間で下半身が鳥というインド起源の空想上の動物・迦陵頻伽。極楽浄土に住み、美しい声で鳴くとされます。

[しし・こまいぬ]
奈良・薬師寺
木造 彩色 (獅子)像高79.0㎝ (狛犬)像高82.3㎝
鎌倉時代(14世紀)
口を開いて吠(ほ)え声をあげそうなものが獅子、口は閉じ、頭の上に角をもつのが狛犬で、薬師寺の鎮守(ちんじゅ)、休ヶ岡八幡宮(やすみがおかはちまんぐう)の社殿に置かれていたとみられます。獅子は百獣の王・ライオンをモデルとし、狛犬は朝鮮半島地域の犬を意味しますが、いずれも想像上の動物です。先端が巻く派手なタテガミや、重々しい体型、力の強そうな各部の筋肉に鎌倉時代後期の動物彫刻の特徴が表れています。

[せんだんけんだつば・しんちゅう・びしゃもんてん]
当館
紙本著色 (栴檀乾闥婆)縦25.8㎝ 横77.2㎝ (神虫)縦25.8㎝ 横70.0㎝ (毘沙門天)縦25.8㎝ 横76.5㎝
平安~鎌倉時代(12世紀)
※前期展示(7/13~8/18)
善神が悪鬼を懲(こ)らしめる様子を描いた作品。ひとつの絵巻に含まれていたうちの三つの場面で、それぞれ、子どもの命を奪う十五の鬼(動物の姿など)の首を鉾(ほこ)に串刺しにする栴檀乾闥婆という神さま、朝に三千、夜に三百の鬼を食べるという虫の姿の怪物である神虫、修行中の僧侶(そうりょ)を邪魔する、翼を持った鬼を追い払う毘沙門天の姿を描いています。