特別陳列

特別陳列

宿院仏師
―戦国時代の奈良仏師―

 戦国時代(十六世紀)の奈良では、仏像彫刻の製作環境が大きく変わりました。古代中世の伝統から大きく外れた俗人の仏師、いわゆる宿院仏師(しゅくいんぶっし)が誕生したのです。彼らは正統の仏師系図(ぶっしけいず)に載らぬ番匠(ばんしょう=大工関係)出身の仏師集団で、三世代にわたる約八十年余りの活躍が知られています。
 初代の源四郎は海龍王寺(かいりゅうおうじ)の沙弥仙算(しゃみせんざん)のもとで木寄番匠(きよせばんしょう)として彫刻用材の木取り(きどり)などに携わり、続いて東大寺僧実清(じっせい)のもとで助作(じょさく)として仏像製作に参加しました。二代目の源次は俗人のまま宿院仏師と名乗って自立し、奈良宿院町(しゅくいんちょう)に構えた仏像製作の工房を仏師屋(ぶっしや)と呼びました。三代目の源三郎は大仏師と名乗り、林小路(はやしこうじ)町で工房を経営しました。この間の仏像の表現をみると、棟梁の交替時期を境にして作風が微妙に変化しているのがわかります。
 これまで注文製作であったのが、大きな社会変革のなかで店舗販売に変貌していったのかどうか、重要な課題が彼らの作品の中に潜んでいます。宿院仏師の仏像は多くが彩色(さいしき)を施さず、良質なヒノキ材を活かした素地(きじ)仕上げであり、平明で清潔感のある表現に特色があります。その素直な表現は同時代の他地域の仏像と比べて孤立しており、南都の古き良き伝統がそこに感じられます。また健康的で明快な表現には、近世職人の先駆けのようなところがあります。
 今日、宿院仏師関係の遺品は70件を越えています。本陳列はそのうちの主要な仏像31件を選んで宿院仏師の消長をたどります。中世末期の奈良文化を象徴する宿院仏師の歴史とその作風にふれていただけたら幸いです。

十一面観音立像
(奈良・大福寺)

会 期

平成17年(2005)5月28日(土)~7月10日(日)

会 場

奈良国立博物館 東新館

休館日

毎週月曜日

開館時間

9:30~17:00 ※毎週金曜日は19:00まで
(入館は閉館30分前まで)

観覧料金

一般420 円 (210 円)
高校・大学生130 円 (70 円)
  • 小・中学生は無料。
  • この観覧券で平常展もご覧いただけます。
  • ( )内は20名以上の団体料金
  • 障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)および70歳以上の方は無料。

出陳品

公開講座

終了いたしました

6月4日(土) 「宿院仏師 ―戦国時代の奈良仏師―」
当館上席研究員 鈴木 喜博

6月18日(土)「宿院仏師の生きた時代 ―16世紀の奈良―」
天理大学おやさと研究所研究員 幡鎌 一弘氏

  • 各回とも開講は午後1時30分。(午後1時より講堂入口で整理券を配布します)
  • 当館講堂にて。
  • 聴講無料。
  • 定員200名。

主 催

奈良国立博物館      

主な出陳品

釈迦如来坐像(釈迦堂所在)
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天文13年(1544年)
南六条町自治会

釈迦如来坐像(釈迦堂所在) 像内背面墨書
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天文13年(1544年)
南六条町自治会

薬師如来坐像
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永禄5年(1562年)
横井東町自治会 満願寺

十一面観音立像(十一面観音三尊像のうち)
[]

永禄3年(1560年)
大福寺

雨宝童子立像(十一面観音三尊像のうち)
[]

永禄3年(1560年)
大福寺

難陀龍王立像(十一面観音三尊像のうち)
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永禄3年(1560年)
大福寺

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