特別展
特別展
大安寺のすべて
―天平のみほとけと祈り―
わが国最初の天皇発願の寺を原点とし、平城京に壮大な寺地と伽藍を構えた大安寺。奈良時代、東大寺や興福寺などとともに南都七大寺の1つに数えられ、一時期を除き筆頭寺院としての格を有していました。1250年の時を経て今も大安寺に伝わる9体の仏像は、奈良時代を代表する木彫群の1つです。かつての伽藍の発掘調査で出土した品々からは、往時の壮大な堂塔や華やかな営みの様子をうかがい知ることができます。また、菩提僊那、空海、最澄をはじめ、1,000人にも及ぼうかという国内外の僧侶たちがここに集い、後に諸方面で活躍しました。天智天皇の発願により造られたとみられるかつての本尊・釈迦如来像は、今は失われてしまいましたが、平安時代には奈良・薬師寺金堂の薬師三尊像よりも優れていると評され、古代から中世の仏像制作に影響を与えました。本展では、まさに時代をリードする大寺院であった大安寺の歴史を、寺宝、関連作品、発掘調査成果など様々な角度からご紹介します。

(奈良 大安寺)
会 期
令和4年(2022)4月23日(土)~6月19日(日)
前期:4月23日(土)~5月22日(日)
後期:5月24日(火)~6月19日(日)
会 場
奈良国立博物館 東西新館
休館日
毎週月曜日
※ただし5月2日(月)は開館
開館時間
9時30分~17時(4月29日(金)~5月7日(土)は19時まで)
※入館は閉館の30分前まで
※名品展とは開館時間が異なります
観覧料金
当日 | 前売・団体 | |
一般 | 1,800円 | 1,600円 |
高大生 | 1,500円 | 1,300円 |
小中生 | 800円 | 600円 |
- 団体料金は20名以上に適用されます。
- 前売券の発売は2月24日(木)から4月22日(金)まで。
- 本展は日時指定制ではありません。
- 障害者手帳またはミライロID(スマートフォン向け障害者手帳アプリ)をお持ちの方(介護者1名含む)、奈良博プレミアムカード会員の方(1回目及び2回目の観覧)は無料(要証明)。
- 奈良国立博物館キャンパスメンバーズ会員(学生)の方は当日券を400円、同(教職員)の方は1,700円でお求めいただけます(要証明)。参加校など詳細はこちらをご確認ください。
- 観覧当日に証明書・会員証などの提示が必要です(一般と小学生以下を除く)。
- 館内が混雑した場合は、入場を制限する場合があります。
- 本展の観覧券で、名品展(なら仏像館・青銅器館)もご覧になれます。
販売場所:当館観覧券売場、近鉄主要駅、ローソンチケット(Lコード:52100)、チケットぴあ(Pコード:993-539)、イープラス、楽天チケット、CN プレイガイド(TEL:0570-08-9999)など主要プレイガイド、セブンイレブン他コンビニエンスストア
※チケット購入時に手数料がかかる場合があります。
※ご購入後の払い戻しはできません。
オリジナルグッズ付チケット
中川政七商店謹製の本展オリジナルグッズと前売券のお得なセットを販売!
販売期間:2月24日(木)~4月22日(金)
販売場所:ローソンチケット・チケットぴあ・イープラス
①ハンカチセット券 3,000円(一般のみ)
重要文化財「伝馬頭観音立像」のイメージを刺繡でデザインしました。サイズは44cm角。アイロン掛けなしでも気軽にお使いいただけます。

②マグネットしおりセット券 2,300円(一般のみ)
重要文化財「伝馬頭観音立像」と大安寺の鬼瓦をかわいくデザインした2個セットです。麻生地を使用しマグネットを取り付けています。しおりやクリップ、付箋がわりの目印としてもお使いいただけます。

- いずれも、なくなり次第終了します。
- チケットに残数が発生した場合は、会場特設ショップでグッズのみ販売します(ハンカチ1,650円、マグネットしおり935円・いずれも税込)。
- いずれのグッズも会期中、会場入口にてお引き換えください。
- デザインが変更になる場合があります。
出陳品
展示件数:124件(うち国宝10件、重文50件)
公開講座
講座の聴講には事前の申し込みが必要です。申込フォームより必要事項を入力の上、お申し込みください (web申込のみとなります)。
①4月29日(金・祝)「大安寺伽藍縁起幷流記資財帳の考古学」
講師:上原 眞人 氏(京都大学名誉教授)
受付期間:3月21日(月・祝)午前10時~4月4日(月)午後5時
参加証の送付:当選者には、4月15日(金)までに参加証をお送りします。
②5月21日(土)「大安寺の祈りと営み-出土品を中心に-」
講師:中川 あや(奈良国立博物館企画室長)
受付期間: 4月4日(月)午前10時~4月18日(月)午後5時
参加証の送付: 当選者には、4月29日(金・祝)までに参加証をお送りします。
③6月11日(土)「大安寺の仏像」
講師:稲本 泰生 氏(京都大学教授)
受付期間:5月2日(月)午前10時~5月16日(月)午後5時
参加証の送付: 当選者には、5月27日(金)までに参加証をお送りします。
時間 | 午後1時30分~3時(午後1時開場) |
---|---|
会場 | 当館講堂 |
定員 | 各90名(事前申込制)。抽選による座席指定制です。 |
申込方法 | 申込フォームより必要事項を入力の上、お申し込みください(web申込のみとなります)。 |
- 聴講無料(展覧会観覧券等の提示は不要です)。
- 当選者には参加証をお送りいたします。当日必ずお持ちください。
- 応募は各回お1人様1回でお願いいたします。
- 参加証で展覧会場に入場することはできません。
音声ガイド
大安寺に伝わる仏像や関連作品の魅力を分かりやすく解説します。
貸出料金:1台600円(税込) 所要時間:約35分
【ナビゲーター】
梅原裕一郎さん(アーツビジョン所属)
「銀河英雄伝説 Die Neue These」ジークフリード・キルヒアイス役
「ディズニー ツイステッドワンダーランド」レオナ・キングスカラー役をはじめ映画の吹き替えや、アニメ、ゲーム、ラジオ、CMなど各方面で幅広く活躍中。

梅原さんからのメッセージ
「大安寺のすべて」音声ナレーションを担当させていただくこと、嬉しく思います。勉強不足で申し訳ないのですが、大安寺という寺院を今回初めて知りました。東大寺や興福寺に並ぶ偉大な寺院であったことを学ばせて頂きました。名だたる僧侶達の集まる学問の場、そして国際交流の場であったことなど、当時の日本における仏教の偉大さに驚きます。焼失などがらありながらも、今に伝えられる仏像の姿から、多くの人の心の拠り所になっていたのだと感慨深い気持ちになりました。みなさまも、当時の、そして今に続く大安寺に思いを馳せて頂ければ幸いです。
主催
奈良国立博物館、日本経済新聞社、NHK奈良放送局、NHKエンタープライズ近畿
特別協力
大安寺
協力
中川政七商店、奈良 蔦屋書店、日本香堂、仏教美術協会
チラシ
動画配信(ニコニコ美術館)
奈良国立博物館 特別展「大安寺のすべて―天平のみほとけと祈り―」を巡ろう
日時 | 2022年 5月8日(日)18時 |
---|---|
会場 | 当館から生中継で配信。 |
出演者 | 河野裕韶師(大安寺副住職) 中川あや(奈良国立博物館 企画室長) 斎木涼子(奈良国立博物館 列品室長) 谷口耕生(奈良国立博物館 教育室長) 内藤 航(奈良国立博物館 研究員) 橋本麻里(ライター・エディター、公益財団法人永青文庫副館長) |
主な出陳品

[すみぎさきかなぐ・てつくぎ]
1点
飛鳥時代(7~8世紀)
奈良文化財研究所
屋根の隅木先に取り付けられた大型で華やかな装飾金具と、釘頭を花形につくる長大な釘。飛鳥の地に営まれた前身寺院・大官大寺(だいかんだいじ)の格の高さを物語る。

[いえがたはにわ]
1点
古墳時代(5世紀)
奈良市埋蔵文化財調査センター
大安寺は平城京遷都とともに、左京の一角に伽藍(がらん)を構えた。その寺域にかかる前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)から出土した大型の埴輪。

[だいあんじがらんえんぎならびにるきしざいちょう]
1巻
奈良時代(8世紀)
千葉・国立歴史民俗博物館
巻き替えあり
大安寺の歴史・仏像・仏具・領地など、大寺院の全てが記された屈指の古代寺院史料。

[じゅういちめんかんのんりゅうぞう]
1軀
奈良時代(8世紀)
奈良・大安寺
前期展示
大安寺本堂の秘仏本尊。頭部は後補であるが、均整のとれた体部の造形は奈良時代彫像の特徴を示す。着衣や装身具が精緻に彫り出されており、中国・唐の仏像の影響が強い。

[でんばとうかんのんりゅうぞう]
1軀
奈良時代(8世紀)
奈良・大安寺
後期展示
大安寺の嘶堂(いななきどう)に安置される秘仏。怒りの表情を示し、胸飾と足首に蛇が巻き付く表現から、当初から馬頭観音として造られた可能性が高い。体から伸びる6本の腕や髻(もとどり)は後補。

[でんようりゅうかんのんりゅうぞう]
1軀
奈良時代(8世紀)
奈良・大安寺
本尊の十一面観音立像と作風の類似が指摘される。顔は怒りの表情だが着衣などは菩薩形(ぼさつぎょう)で、当初の尊名(そんめい)は不明。奈良時代に伝えられた初期の密教尊像(みっきょうそんぞう)である可能性がある。

[とうちん]
一括
中国・唐(8世紀)
奈良文化財研究所
大安寺の造営に関わった僧・道慈(どうじ)が唐から多数持ち帰ったとされる唐三彩(とうさんさい)。宝相華文(ほうそうげもん)などを型で押した後、三色の釉薬(ゆうやく)で色を付けている。唐三彩を模倣した国産の陶枕も作られた。
※写真は一括のうちの1点

[ふうたく]
3口
平安時代(9世紀)
奈良市埋蔵文化財調査センター
かつて、大安寺の塔は東大寺の塔に次ぐ規模の七重の双塔(そうとう)であった。本品は西塔の相輪に下げられていた風鐸。大型で鍍金(ときん)が施され、塔の威容を物語る。
※写真は3口のうちの2口

[しゃかにょらいぞう]
1幅
平安時代(12世紀)
京都・神護寺
展示期間:6/7~6/19
華麗な朱の衣を身にまとった釈迦如来を描く、平安仏画を代表する傑作。優美で理想的な姿には、平安時代に多くの釈迦像が規範にした大安寺釈迦如来像の面影が投影されているのだろう。

[くしゃまんだら]
1幅
平安時代(12世紀)
奈良・東大寺
後期展示
南都六宗(なんとろくしゅう)の一つである倶舎宗(くしゃしゅう)の諸尊を描いた画像。中央の釈迦如来は奈良時代に描かれた東大寺伝来の仏画を写したもので、その姿は記録に見える大安寺釈迦如来像にほぼ一致する。