特別展・特別陳列
特別展
第60回 正倉院展
正倉院展は戦後間もない昭和21年(1946)に始まり、途中東京で開催された3回を除くと、奈良国立博物館での開催は今年で60回を迎えます。その間に出陳された宝物の数はのべ4,000件に及び、700万人を超える方が観覧に訪れました。
今年は北倉8件、中倉33件、南倉25件、聖語蔵(しょうごぞう)3件の69件の宝物が出陳され、うち19件が初出陳です。展示の構成は、光明皇后によって大仏に献納された聖武天皇遺愛の宝物に始まり、佩飾品(はいしょくひん)など、皇族・貴族たちの献納品、天蓋(てんがい)など仏具、飲食器、文書、経典となっています。
聖武天皇遺愛の宝物は、正倉院香木の双璧の一方とされる全浅香(ぜんせんこう)、全面に精緻な文様を彫刻した刻彫尺八(こくちょうのしゃくはち)、鏡背を螺鈿による花文様で埋め尽くした平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)などが出陳されます。皇族・貴族たちの献納品と考えられる宝物には、ササン朝ペルシアからもたらされた白瑠璃碗(はくるりのわん)のほか、木画細工が見事な紫檀木画双六局(したんもくがのすごろくきょく)、鏡背に山水や人物などを鋳だした山水人物鳥獣背円鏡(さんすいじんぶつちょうじゅうはいのえんきょう)などがあります。さらに、献納品を収めた箱にも蘇芳地金銀絵箱(すおうじきんぎんえのはこ)のように美しい工芸品を見ることができます。
献納品のうち、佩飾品とは腰飾りのことで、刺繍やガラス玉の美しい紫皮裁文珠玉飾刺繍羅帯残欠(むらさきがわ祭文しゅぎょくかざりししゅうらのおびざんけつ)のほか、犀角魚形(さいかくのうおがた)や水精玉(すいしょうのたま)などの装身具が出陳され生ます。仏具は天蓋の関連品がまとまって出陳され、あわせて金銅鎮鐸(こんどうのちんたく)や珍しい金属製の幡(はた)である金銅幡(こんどうのばん)などが出陳されます。このほか、思わず笑みを誘われる椰子実(やしのみ)、虹龍(こうりゅう)と称される貂(てん)のミイラなどなど異色の宝物が出陳されます。
正倉院展を通して奈良朝の人々の文化や暮らしを身近に感じ、また当時の社会に対して理解を深めていただければ幸いです。



会 期
平成20年(2008)10月25日(土)~11月10日(月)
会 場
奈良国立博物館 東新館・西新館
開館時間
午前9時~午後6時
※金曜日、土曜日、日曜日、祝日は午後7時まで
観覧料金
個人 | 前売/団体 | オータムレイト | |
一般 | 1,000 円 | 900 円 | 700 円 |
高校・大学生 | 700 円 | 600 円 | 500 円 |
中学生以下 | 400 円 | 300 円 | 200 円 |
- 団体は責任者が引率する20名以上です。
- オータムレイトは、閉館の1時間30分前以降に販売する当日券の料金です。(販売は当館当日券売場のみ)
- オータムレイトチケットの購入者には、記念品として、昭和21年(1946)開催の「正倉院特別展観」(第1回正倉院展にあたります)の復刻版チケットを進呈します。
- 障害者手帳をお持ちの方(介護者同数を含む)は無料です。
- この観覧料金にて平常展もご覧になれます。
出陳品
69件(北倉8件、中倉33件、南倉25件、聖語蔵3件)
うち初出陳19件
関連イベント
すべて終了いたしました
- 平成20年(2008)10月11日(土) まほろば寄席
- 平成20年(2008)10月25日(土) 大バッハ、奈良に降臨 !!
- 平成20年(2008)11月1日(土)~3日(祝) 音燈華(イベントチラシ)
- 平成20年(2008)11月3日(祝) 正倉院学術シンポジウム2008
- 平成20年(2008)11月4日(火) 留学生の日
- 平成20年(2008)11月7日(金)・8日(土) オペラ「月の影」(イベントチラシ)
- 平成20年(2008)11月7日(金)・8日(土) 燈花会 in 正倉院展
- 会期中毎日 野点のお茶会
公開講座
終了いたしました
平成20年(2008)10月25日(土)「正倉院の白瑠璃碗」
岡山市立オリエント美術館長 谷一 尚氏
平成20年(2008)11月1日(土)「正倉院に伝わる天蓋をめぐって」
宮内庁正倉院事務所保存課整理室長 西川 明彦氏
平成20年(2008)11月8日(土)「正倉院宝物とシルクロード」
当館学芸部工芸考古室長 内藤 栄
主 催
奈良国立博物館
協 賛
NTT西日本、近畿日本鉄道、JR東海、ダイキン工業、大和ハウス工業、帝塚山学園・帝塚山大学、日本生命
特別協力
読売新聞社
協 力
NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、日本香堂、仏教美術協会