特別展・特別陳列
特別展
第59回 正倉院展
本年の正倉院展は、花鳥背八角鏡(かちょうはいのはっかくきょう)、小三合水角鞘御刀子(しょうさんごうすいかくざやのおんとうす)、新羅琴(しらぎごと)など聖武天皇、光明皇后御遺愛(ごいあい)の品々をはじめ、東大寺ゆかりの仏具、献物几(けんもつき)・献物箱、天平時代の遊戯具、文房具、染織品、文書(もんじょ)・経典等が出陳されます。
正倉院宝物の全体が概観できるような内容となっていますが、本年は特に絵画を表した宝物や文様(もんよう)表現の優れた宝物が多く出陳されている点に特徴があります。
聖武天皇、光明皇后ゆかりのものでは、調度としておそばに置かれた可能性もある羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)、熊鷹臈纈屏風(くまたかろうけちのびょうぶ)の異国情緒あふれる図様(ずよう)が目を引きます。また、遊戯具の名品として名高い墨絵弾弓(すみえのだんきゅう)は、弓という細長い面に曲芸する人物などを墨一色で細密に描いており、高い画技がうかがわれます。このほか、豊麗な文様が唐朝の風を伝える花氈(かせん)、密陀絵盆(みつだえのぼん)など、生活や信仰の場を彩った色と線の世界を垣間見せる宝物が充実しています。
また、東大寺ゆかりの宝物として、法会(ほうえ)で妙(たえ)なる音楽を奏でたと思われるう(う)や、まぶしいばかりの装飾の施された紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)、戒壇堂(かいだんどう)という墨書(ぼくしょ)がある刻彫梧桐金銀絵花形合子(こくちょうごとうきんぎんえのはながたごうす)など、当時の壮麗な寺院空間を彷彿させる宝物が並びます。
さらに、最近修理を終えたばかりの彩絵仏像幡(さいえのぶつぞうばん)が修理後初のお披露目となることや、近年保存形態が改められた旧玻璃装古裂(はりそうこぎれ)が多数出陳されるのも話題の一つです。


会 期
平成19年(2007)10月27日(土)~11月12日(月)全17日
会期中無休
会 場
奈良国立博物館 東新館・西新館
開館時間
午前9時~午後6時
※金曜日、土曜日(10月27日、11月2日、3日、9日、10日)は午後7時まで
入館は閉館30分前まで
観覧料金
個人 | 前売/団体 | オータムレイト | |
一般 | 1000 円 | 900 円 | 700 円 |
高校・大学生 | 700 円 | 600 円 | 500 円 |
中学生以下 | 400 円 | 300 円 | 200 円 |
- 団体は責任者が引率する20名以上。
- オータムレイトは、閉館の1時間30分前以降に販売する当日券の料金です(販売は当館当日券売場のみ)。
- 障害者手帳をお持ちの方(介護者同数を含む)は無料。
- この観覧料金にて平常展もご覧になれます。
- 前売券は9月27日(木)より下記の窓口で発売されます。
近鉄・JR西日本の主要駅、ローソンチケット(Lコード:55710)、電子チケットぴあ・ファミリーマート・サークルKサンクス(以上、Pコード:687-540)、JTB、日本旅行、ジェイアール東海ツアーズ、近畿日本ツーリスト、イープラスおよび当館(当館での販売は10月26日まで)
展示宝物
70件(北倉11件、中倉36件、南倉20件、聖語蔵3件)
うち初出陳17件
関連イベント
すべて終了いたしました
- 平成19年(2007)10月28日(日) 再現!! これがベートーヴェンの聞いた音
- 平成19年(2007)11月1日(木) 留学生の日
- 平成19年(2007)11月1日(水) 着物で正倉院展を見よう
- 平成19年(2007)11月9日(金) 雅楽の夕べ
- 平成19年(2007)11月9日(金)・10日(土) なら燈花会 in 正倉院展 2007秋
- 平成19年(2007)11月11日(日) 正倉院学術シンポジウム2007
- 会期中毎日 野点のお茶会
公開講座
終了いたしました
平成19年(2007)10月27日(土)「正倉院の文房四宝」
渋谷区立松濤美術館館長 角井 博
平成19年(2007)11月3日(土)「正倉院事務所の仕事 ―受け継いできたもの、そして今―」
宮内庁正倉院事務所保存課長 杉本 一樹
平成19年(2007)11月10日(土)「シルクロードを駆け抜けた動物たち ―正倉院宝物の動物文様」
当館学芸課資料室長 吉澤 悟
主 催
奈良国立博物館
協 賛
NTT西日本、近畿日本鉄道、JR東海、ダイキン工業、大和証券グループ、大和ハウス工業、帝塚山学園・帝塚山大学、日本生命
特別協力
読売新聞社
協 力
NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、小学館「和樂」