特別展・特別陳列
特別展
第57回 正倉院展
本年の正倉院展は、百索縷軸(ひゃくさくるのじく)、平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)、槃龍背八角鏡(ばんりゅうはいのはっかくきょう)など聖武天皇、光明皇后御遺愛の品々をはじめ、東大寺ゆかりの儀式具、荘厳具、仏具、献物几・献物箱、天平時代の装身具、文書、珍材等が出陳されます。正倉院宝物の全体が概観できるような内容となっていますが、本年は特に遊戯具、楽舞関係の遺品、珍貴な材料を用いた遺品の多いのが特徴です。また動物を表した宝物や動物由来の材料を加工した宝物が揃い、天平時代の人と動物との関わりが偲(しの)ばれる点にも特色があります。
遊戯具では、正倉院宝物中屈指の名宝である木画紫檀棊局 (もくがしたんのききょく)、及びその容器である金銀亀甲棊局龕(きんぎんきっこうききょくのがん)が12年ぶりに出陳されます。またこれに附属する碁石[紅牙撥鏤棊子(こうげばちるのきし)、紺牙撥鏤棊子(こんげばちるのきし)]、碁石入れ[銀平脱合子(ぎんへいだつのごうす)]なども出陳され、聖武天皇も楽しんだかと思われる天平の碁が展示室に甦(よみがえ)ります。また珍材を用いるものとして、ガラスを用いた瑠璃壺(るりのつぼ)をはじめとする多数のガラス製品、南方産のサイの角を用いた犀角如意(さいかくのにょい)、犀角坏(さいかくのつき)、クスノキの玉杢(たまもく)を用いたベン楠箱(べんなんのはこ)等、注目すべき品々が出陳されます。東西の交易を通じて伝えられたさまざまな珍材を用いて自らの生活を飾った、天平人の華麗な生活が鮮やかに想像されます。
また近年の宝物整理・調査を踏まえ、多数の初出陳品が展観に供されるのも、今年の話題の一つです。


会 期
平成17年(2005)10月29日(土)~11月14日(月)
休館日
会期中無休
会 場
奈良国立博物館 東・西新館
開館時間
9:00~18:00
※金曜日(11月4日、11日)は19:00まで
入館は閉館30分前まで
観覧料金
当日 | 前売り・団体 | |
一般 | 1000円 | 900円 |
高校・大学生 | 700円 | 600円 |
中学生以下 | 400円 | 300円 |
- 団体は責任者が引率する20名以上
- 障害者手帳をお持ちの方(介護者1人を含む)は無料
- この料金で平常展もあわせてご覧いただけます。
前売券
近鉄ステーションサービス、近鉄・JR西日本・JR東海の主要駅と、電子チケットぴあ・ファミリーマート・サンクス・ セブンイレブン(Pコード:686-216)、ローソンチケット(Lコード:59000)、ジェイアール東海ツアーズ・イープラス(以上、9月21日~11月14日)
JTB・JTBツアーズ・JTBトラベランド(以上、9月29日~11月14日)、 及び当館(9月21日~10月28日)で取り扱っています。
展示宝物
69件(北倉15件、中倉29件、南倉22件、聖語蔵3件)
うち初出陳20件
公開講座
終了しました
平成17年(2005)10月30日(日)「正倉院文書の調査 ―原本から何がわかるか―」
宮内庁正倉院事務所保存課調査室員 飯田 剛彦氏
平成17年(2005)11月 5日(土)「玄奘帰朝のインパクトと唐代宮廷仏教 ―正倉院聖語蔵『大毘婆沙論』出陳によせて―」
奈良国立博物館学芸課企画室長 稲本 泰生
平成17年(2005)11月12日(土)「正倉院の遊戯具」
遊戯史学会会長 増川 宏一氏
※各回とも当館講堂において、13時30分から(開場は13時)
聴講無料、定員200名
主 催
奈良国立博物館
協 賛
JR東海、日本生命、大和ハウスグループ
協 力
読売新聞社、NHK奈良放送局、奈良テレビ放送