特別展・特別陳列

特別展

第56回 正倉院展

 本年の正倉院展は、紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)、通天牙笏(つうてんげしゃく)、樺纏尺八(かばまきのしゃくはち)など聖武天皇・光明皇后御遺愛の品々をはじめ、東大寺ゆかりの儀式具・装束(しょうぞく)・仏具・献物箱(けんもつばこ)、天平時代の装身具・佩飾品(はいしょくひん)・文書等が出陳されます。正倉院宝物の全容が概観できるような内容となっておりますが、本年は特に楽器、伎楽面など楽舞関連の遺品、また寺院の荘厳(しょうごん)に用いられた仏教関係の遺品が多く出陳される点に特徴があります。
 楽器では正倉院に伝わる琵琶の中でも優品として名高い楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんそうのびわ)、三彩の鼓胴(こどう)として宝庫唯一の例である磁鼓(じこ)など長年待ち望まれた宝物が出陳されます。仏教関係では、仏堂内や厨子を飾った押出仏の型と思われる仏像型、ガラス玉を銀線で連ね美しい輝きを表す雑玉幡(ざつぎょくのばん)、かつてはミニチュアの塔を構成していたと思われる紫檀塔残欠(したんのとうざんけつ)など注目すべき品々が出陳されます。
 また鑑真和上(がんじんわじょう)の平城京入京1250年に当たる今年、和上ゆかりの鑑真奉請経巻状(がんじんほうせいきょうかんじょう)が展示されるのも話題の一つです。

南倉 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶

会 期

平成16年(2004)10月30日(土)~11月15日(月)
会期中無休

会 場

奈良国立博物館 東新館・西新館

開館時間

9:00~18:00
金曜日(11月5日、12日)は19:00まで
(入館は閉館30分前まで)

観覧料金

当日前売/団体
一般1000 円900 円
高校・大学生700 円600 円
中学生以下400 円300 円
  • ( )内は20名以上の団体料金、および前売料金。
  • 前売券は、近鉄ステーションサービス、近鉄・JR西日本・JR東海の主要駅と、チケットぴあ・ファミリーマート・サンクス・セブンイレブン(Pコード:685-580)、ローソンチケット(Lコード:56953)・JTB(9月21日~11/15)、当館(9月22日~10/29)、JR西日本(9月30日~11/15)で発売します。
  • 特別展料金で平常展もあわせてご覧いただけます。

展示宝物

75件 (北倉7件、中倉23件、南倉42件、聖語蔵3件)
(初出陳12件)

公開講座

終了いたしました

平成16年(2004)10月30日(土)「正倉院文化の源流」
早稲田大学名誉教授 長澤和俊

平成16年(2004)11月3日(水・祝)「正倉院の楽器」
当館学芸課工芸考古室長 内藤 栄

平成16年(2004)11月 6日(土)「装束から見た伎楽」
宮内庁正倉院事務所保存整理室員 田中 陽子

平成16年(2004)11月 13日(土)「正倉院の戸籍からよみとる 奈良時代の社会」
当館学芸課研究員 野尻 忠

  • 各回とも当館講堂において、13時30分から(開場は13時)
  • 聴講無料
  • 定員200名

主な出陳品

南倉157 雑玉幡
[ざつぎょくのばん]

1枚

南倉150 紫地錦几褥
[むらさきじにしきのきじょく]

1張
机のうわしき

中倉148 朽木菱形木画箱
[くちきひしがたもくがのはこ]

1合
献物箱

北倉47 紫地鳳形錦御軾
[むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく]

1枚
ひじつき

南倉101 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶
[かえですおうぞめらでんそうのびわ]

1面

南倉101 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(背面)
[かえですおうぞめらでんそうのびわ]

1面

南倉101 楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(捍撥)
[かえですおうぞめらでんそうのびわ]

1面

南倉114 磁鼓
[じこ]

1口
三彩のつづみ

南倉1 伎楽面・師子児
[ぎがくめん・ししこ]

1口
伎楽の面

中倉19 正倉院塵芥文書第35巻 鑑真奉請経巻状等
[しょうそういんじんかいもんじょ がんじんほうせいきょうかんじょうとう]

1巻

南倉153 仏像型
[ぶつぞうのかた]

1枚
押出仏の型

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