特別展・特別陳列
特別展
第55回 正倉院展
正倉院宝庫は東大寺の正倉として造立された校倉式の倉で、その中に聖武天皇と光明皇后の遺愛品をはじめとする中国・唐時代や奈良時代の貴重な宝物が数多く伝えられてきました。宝庫は毎年秋に開封され、九千点に及ぶ宝物のうちから、選りすぐりの品々が正倉院展に出陳されます。
今年は、鳥毛篆書屏風(とりげてんしょのびょうぶ)、十合鞘御刀子(じゅうごうざやのおんとうす)、平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)など、聖武天皇と光明皇后が身辺に置かれた品々をはじめ、東大寺で用いられた仏具や献物几・献物箱、奈良時代の衣装や佩飾品、薬物と顔料、文書類などが出陳されます。
正倉院宝物の主要なジャンルが見渡せるようリストアップされていますが、今回は特に刺繍が施された作品や、佩飾品、薬物と顔料およびその関連品がまとまっている点に特徴があります。
丹や雲母粉などの薬物は香や薬として、あるいは顔料としても用いられたもので、今回は絵具皿であったかと思われる佐波理皿(さはりのさら)などとともに出陳されます。また、美しい彩色が施された金銀絵長花形几(きんぎんえのちょうはながたき)、碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)などの献物几・献物箱も出陳され、奈良時代の工人の息吹を感じさせてくれるでしょう。
その輝きと鮮やかな色彩の中に、天平の薫りを今なお保ち続け、我々を魅了してやまない正倉院宝物の数々を通して、天平文化の精髄に触れていただければ幸いです。

会 期
平成15年(2003)10月25日(土)~11月10日(月)
会 場
奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日
会期中無休
開館時間
9時~18時
※10月31日(金)、11月7日(金)は19時まで。11月1日(土)は本館(平常展)のみ17時まで
(入館は閉館の30分前まで)
観覧料金
当日 | 前売/団体 | |
一般 | 1000 円 | 900 円 |
高校・大学生 | 700 円 | 600 円 |
中学生以下 | 400 円 | 300 円 |
- ※団体は20名以上。
- 前売券は以下で販売いたします。
近鉄ステーションサービス、近鉄・JR西日本・JR東海の主要駅と、チケットぴあ・ファミリーマート・サンクス・セブンイレブン(Pコード:469-528)、ローソンチケット(Lコード:55128) - 特別展料金で平常展もあわせてご覧いただけます。
展示宝物
66件(北倉11件、中倉37件、南倉15件、聖語蔵3件)
初出陳7件
公開講座
終了いたしました
平成15年(2003)10月25日(土)「鏡と鏡箱」
工芸室長 内藤 栄
平成15年(2003)11月 3日(月・祝)「正倉院文様の転写技法について」
宮内庁正倉院事務所 整理室長 西川 明彦氏
平成15年(2003)11月 8日(土)「正倉院の刺繍」
関西学院大学教授 河上 繁樹氏
- 各回とも当館講堂において、13時30分から
- 聴講無料
- 定員200名
主 催
奈良国立博物館
協 力
朝日新聞社