お水取りは東大寺の二月堂でおこなわれる仏教法会で、正式には修二会（しゅにえ）といいます。法会の目的は、仏の前で罪過を懺悔（さんげ）すること（悔過（けか））。現在は3月1日から14日までおこなわれ、その間、心身を清めた僧（練行衆（れんぎょうしゅう））が十一面観音の前で宝号を唱え、懺悔し、あわせて天下安穏（てんかあんのん）などを祈願します。
お水取り（修二会）は、天平勝宝4年（752）に東大寺の実忠和尚（じっちゅうかしょう）が初めて十一面悔過を執行して以来、一度も絶えることなく不退（ふたい）の行法（ぎょうぼう）として1260年以上にわたって勤め続けられてきました。そこには東大寺が歩んできた長い歴史が刻み込まれています。
本展は、毎年、東大寺でお水取りがおこなわれるこの時季にあわせて開催する恒例の企画です。実際に法会で用いられた法具や、歴史と伝統を伝える絵画、古文書、出土品などを展示します。お水取り（修二会）への理解が深まる一助となれば幸いです。
二月堂縁起（断簡）部分
東大寺蔵
| 会 期 | 令和3年2月6日（土）～3月21日（日） | ||||
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| 会 場 | 奈良国立博物館 東新館 | ||||
| 休館日 | 毎週月曜日（ただし2月8日、3月1日・8日は開館） | ||||
| 開館時間 | 午前9時30分～午後5時
※ 入館は閉館の30分前まで |
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| 観覧料金 |
※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳またはミライロID（スマートフォン向け障害者手帳アプリ）をお持ちの方（介護者1名を含む）は無料です。
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| 出陳品 | 67件（うち重要文化財19件）
◆出陳品一覧は こちらへ［PDF,467KB］ |
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| 公開講座 |
公開講座の聴講には事前の申し込みが必要です。
◆令和3年 2月20日（土）「修二会について」 講師：筒井 寛昭 師（東大寺長老） 【時間】午後1時30分～3時（午後1時開場） 【会場】当館講堂 【定員】90名（事前申込先着順） 【申込方法】奈良国立博物館ホームページ「講座・催し物」内の申込み画面より必要事項を入力の上、お申込みください（web申込のみとなります）。 ※聴講無料（展覧会観覧券等の提示は不要です）。 ※聴講には事前申込が必要です（当日申込でのご参加はできません）。 ※入場の際には、受付完了メール画面をご提示ください。 ※応募はお1人様1回でお願いいたします。 ※定員に達し次第締め切りとさせていただきます。 |
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| 主催 | 奈良国立博物館、東大寺、仏教美術協会 | ||||
| 関連サイト | 東大寺 http://www.todaiji.or.jp/index.html 今年のお水取りの情報はこちらからご確認ください。 |
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| 動画配信 （ニコニコ美術館） |
特別陳列「お水取り」を巡ろう。
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| チラシ |
（PDF，0.6MB）
（PDF，0.5MB）◆主な出陳品
※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。
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二月堂縁起
修二会（しゅにえ）の創始から二月堂観音の利益（りやく）までの説話を表した絵巻。写真は、修二会を創始したという実忠（じっちゅう）が、60年間、観音の前で毎年14日間、六時（ろくじ）の行法（ぎょうぼう）を行い、その道場に兜率天（とそつてん）（弥勒（みろく）浄土）の八天が下ったという場面です。 |
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二月堂縁起（断簡）
残欠（ざんけつ）を貼り継いだ絵巻で、内容は、同じく東大寺に伝わる天文14年（1545）に制作された二巻本の二月堂縁起の下巻に相当しています。写真は、興福寺の僧が二月堂へ参詣し、ちょうど神名帳（じんみょうちょう）中の春日明神（かすがみょうじん）の名が読み上げられるのを聞く場面です。 |
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華厳経（二月堂焼経）
江戸時代に二月堂が火災に遭った際、焼け跡から発見された経巻。奈良時代に書写されたもので、修二会（しゅにえ）中に行われる 実忠忌（じっちゅうき・命日の法要）の 講問（こうもん）に用いられたと考えられます。紺紙に銀泥で書写された経文の美しさに目を引かれます。 |
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三鈷鐃（咒師鈴）
練行衆（れんぎょうしゅう）の四職（ししき）のうち密教（みっきょう）を司る咒師が使用する法具です。堂内四方を守護する四天王を勧請（かんじょう）する際に打ち鳴らして結界（けっかい）を行います。横長で扁平な卵形をした鈴身と二本の強い逆刺（さかし）を有した三鈷など、独特の形状を呈しています。 |
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二月堂声明
修二会（しゅにえ）の初夜（しょや）の声明のうち、供養文（くようもん）・散華（さんげ）・称名（しょうみょう）を記したもの。称名の最後は「南旡観自在菩薩（なむかんじざいぼさつ）」を四度繰り返します。英憲が書写したもので、惣持院（そうじいん）の英秀が元禄5年（1692）に修復しました。 |
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二月堂曼荼羅
修二会（しゅにえ）の本尊である十一面観音が、雲に乗って二月堂の上空に現れています。右下の閼伽井屋（あかいや）付近には黒・白二羽の鵜が描かれ、鵜に続いて香水（こうずい）が湧き出たというお水取りの由来にかかわる説話を表しています。説話では、二月堂の本尊は閼伽器（あかき）の上に乗って海の彼方から現れたとされますが、この絵では雲に乗って現れる「来迎（らいごう）」の姿で表されるのが印象的です。 |
(上:その2 下:その1)
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重要文化財 香水杓
二月堂本尊（にがつどうほんぞん）に香水（こうずい）を供えた後、堂内の参詣者（さんけいしゃ）に香水を分ける際に柄杓（ひしゃく）として用いたもので、注口のついた形はお水取り独特のものです。壺（つぼ）の側面に線刻銘（せんこくめい）があり、制作年代と施入者（せにゅうしゃ）がわかります。 |
