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第71回正倉院展

 本年の正倉院展は、天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物の成り立ちを示す宝物や、宝庫を代表する宝物、シルクロードの遺風を感じさせる宝物が出陳されます。

鳥毛立女屏風(第2扇)

鳥毛立女屏風(第2扇)

鳥毛立女屏風(第1扇)

鳥毛立女屏風(第1扇)

赤漆文欟木御厨子

赤漆文欟木御厨子

会 期 令和元年10月26日(土)~11月14日(木) 全20日
会 場 奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日 会期中無休
開館時間 午前9時~午後6時
※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月26日・27日、11月1日・2日・3日・4日・8日・9日・10日)は午後8時まで
※入館は閉館の30分前まで
観覧料金
  当日 前売・団体 オータム
レイト
一般 1,100円 1,000円 800円
高校生
大学生
700円 600円 500円
小学生
中学生
400円 300円 200円
親子ペア 1,100円
(前売)
セット券 2,500円 2,300円
(前売)

※ 団体は責任者が引率する20名以上です。
※ 混雑緩和のため、11月3日(日・祝)は「団体入場規制日」として、団体専用入場口はご利用いただけません。
※ 前売券の販売は、7月19日(金)から10月25日(金)まで、当館観覧券売場、プレイガイド、コンビニエンスストア(一部)等にて販売いたします。
※ 親子ペア観覧券は、一般1名と小・中学生1名がセットになった割引観覧券です。前売のみで、販売は主要プレイガイド、コンビニエンスストア(一部)に限ります。(当館観覧券売場では販売していません。)
※ セット券は、本展と東京国立博物館で開催される「御即位記念特別展 正倉院の世界」がセットになったチケットです。販売は主要プレイガイド、コンビニエンスストア(一部)に限ります。(当館観覧券売場では販売していません。)前売セット券の販売は、7月19日(金)から10月13日(日)まで、当日セット券の販売は、10月14日(月・祝)から11月13日(水)午後3時までです。
※ オータムレイトチケットは、月曜日~木曜日の午後4時30分以降、金曜日・土曜日・日曜日・祝日の午後6時30分以降に使用できる当日券です。当館当日券売場でのみ、月曜日~木曜日は午後3時30分より、金曜日・土曜日・日曜日・祝日は午後5時30分より販売します。
※ 障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※ 本展の観覧券で、名品展(なら仏像館・青銅器館)も観覧できます。
奈良国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を400円で、職員の方は団体料金でお求めいただけます。観覧券売場にてキャンパスメンバーズ会員であることが分かる、学生証や職員証等をご提示ください。
※ 11月14日(木)は御即位記念のため入館無料(なら仏像館含む)です。

主催 奈良国立博物館
協賛 岩谷産業、NTT西日本、関西電気保安協会、京都美術工芸大学、近畿日本鉄道、JR東海、JR西日本、シオノギヘルスケア、ダイキン工業、大和ハウス工業、中西金属工業、丸一鋼管、大和農園
特別協力 読売新聞社
協力 NHK奈良放送局、奈良テレビ放送、日本香堂、仏教美術協会、ミネルヴァ書房、読売テレビ
チラシ

チラシ(PDF,2.5MB)

同時期開催の展覧会

御即位記念特別展
 「正倉院の世界 ―皇室がまもり伝えた美―」

会期:令和元年10月14日(月・祝)~11月24日(日)

会場:東京国立博物館 平成館

主な出陳品

※単位は、寸法=センチメートル、重量=グラム   
※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。

七條刺納樹皮色袈裟 七條刺納樹皮色袈裟 部分
部分

北倉1 七條刺納樹皮色袈裟
[しちじょうしのうじゅひしょくのけさ]
(刺縫(さしぬ)いの袈裟) 1領
縦145 幅262
前回出陳年=昭和62年

 光明皇后による聖武天皇遺愛の品の献納(けんのう)目録である『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』の筆頭に掲げられた9領の袈裟(けさ)のうちの1領。赤・青・黄・緑・茶などの平絹(へいけん)を不規則な形に裁ち、これらを刺縫(さしぬ)いの技法で継ぎ合わせて作られている。これは糞掃衣(ふんぞうえ)とも称される、端裂(はぎれ)を集めて縫い合わせ仕立てた袈裟に擬(なぞら)えたものと考えられ、袈裟の本義を踏まえたものと理解される。ただし、本品の場合は上質の裂(きれ)が用いられており、美しい樹皮風の配色も天皇の所用に相応(ふさわ)しい。

赤漆文欟木御厨子

北倉2 赤漆文欟木御厨子 [せきしつぶんかんぼくのおんずし]
(ケヤキの厨子) 1基
総高100.0 幅83.7 奥行40.6
前回出陳年=平成10年(東京・平成21年)

 聖武天皇と光明皇后の婚姻に際して相交わした品のように夫妻にとって殊に重要なものや、刀子(とうす)や帯、笏(しゃく)といった装身具、双六(すごろく)の駒や賽子(さいころ)、念珠、尺(ものさし)などの小物類、尺八など(北倉4~23)、比較的小さな品々が納められていた大型の厨子(ずし)。天武天皇から、持統、文武、元正、聖武、孝謙と歴代の天武系の天皇に相伝されてきた非常に重要なもので、『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』に「古様(こよう)の作」と記されるように、7世紀後半に遡(さかのぼ)る様式を示すと考えられる。

金銀平文琴
金銀平文琴 裏

金銀平文琴 表・部分
表・部分

北倉26 金銀平文琴 [きんぎんひょうもんきん]
(金銀飾りの琴) 1張
全長114.5 額の幅16.0 尾の幅13.0
前回出陳年=平成11年

 琴(きん)は古代中国で成立した七絃(しちげん)の絃楽器。本体はキリ材製で、表面には黒漆(くろうるし)が塗られ、文様(もんよう)の形に切った金銀の薄板を表面に貼り付け、漆で塗り込めた後に文様部分を研(と)ぎ出して現す平文(ひょうもん)の技法によって、鳥(瑞鳥)や動物(霊獣)、草花、山岳、人物(高士(こうし)、飛仙)、波文などの文様が全体に施され、美しく装飾されている。
 なお、本品は、弘仁5年(814)に出蔵された『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』記載の別の琴に替わって、弘仁8年(817)に代納された品で、内部の墨書(ぼくしょ)より、唐の開元23年(735)に製作されたと推定されている。

鳥毛立女屏風 第1扇
第1扇
鳥毛立女屏風 第2扇
第2扇
鳥毛立女屏風 第3扇
第3扇
鳥毛立女屏風 第4扇
第4扇
鳥毛立女屏風 第5扇
第5扇
鳥毛立女屏風 第6扇
第6扇

北倉44 鳥毛立女屏風 [とりげりつじょのびょうぶ]
(鳥毛貼りの屏風) 6扇
[第1扇]縦135.9 横56.2 [第2扇]縦136.2 横56.2
[第3扇]縦135.8 横56.0 [第4扇]縦136.2 横56.2
[第5扇]縦136.2 横56.5 [第6扇]縦136.1 横56.4
前回出陳年 
第2・4・5・6扇=平成26年 第1・3扇=平成11年(東京・平成26年)

 『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』記載の屏風(びょうぶ)で、各扇とも樹下に豊かに髪を結い上げたふくよかな女性を一人配する。第1扇から第3扇は立ち姿、第4扇から第6扇は岩に腰掛ける姿で表される。楮紙(ちょし)を貼り継いだ画面に白下地を施して描かれており、顔や手、着衣の袖口などに彩色(さいしき)が残り、着衣や樹木などには日本産のヤマドリの羽毛が貼り付けられていたことが微細な残片からわかる。
盛唐の風俗を反映した豊満な「天平美人」として名高い本屏風が6扇揃って出陳されるのは、平成11年(1999)以来20年ぶりである。

礼服御冠残欠
礼服御冠残欠

北倉157 礼服御冠残欠 [らいふくおんかんむりざんけつ]
(冠のかざり) 一括
前回出陳年=平成14年

 正倉院宝庫に納められていた聖武天皇、光明皇后、孝謙天皇の御冠(おんかんむり)や、諸臣の礼冠(らいかん)が残欠(ざんけつ)となって伝来したもの。天皇の即位に際して、礼冠の手本とするため度々用いられたが、鎌倉時代の出蔵時に事故に遭い、損傷したと伝わる。附属の木牌(もくはい)の記載を参照すると、聖武天皇、光明皇后の御冠は天平勝宝4年(752)の大仏開眼会(かいげんえ)で着用された可能性が高い。国内外の様々な素材を用いた装飾を含んでおり、当時の国際色豊かな製作背景をうかがわせる。

天平宝字二年十月一日献物帳 藤原公真跡屏風帳

北倉161 天平宝字二年十月一日献物帳 藤原公真跡屏風帳
[てんぴょうほうじにねんじゅうがつついたちけんもつちょう
 ふじわらこうしんせきびょうぶちょう]
(屏風の献納(けんのう)目録) 1巻
本紙縦28.8 全長85.5 軸長31.3
前回出陳年=平成9年

 光明皇后による東大寺大仏への献物(けんもつ)は4度にわたって行われたが、本品はその掉尾(とうび)を飾る天平宝字2年(758)10月1日に行われた献納(けんのう)に係る目録。光明皇后が亡父・藤原不比等(ふじわらのふひと)(659~720)の真蹟(しんせき)という屏風12扇を東大寺に献納したという内容で、願文(がんもん)に記された「妾(わらわ)の珍財、これに過ぐるはなし」(私にとってこれに勝る貴重なものはない)とのことばからは、皇后の父に対する強い思慕の念が伝わってくる。
 なお、屏風は後年出蔵されたとみられ、現存していない。

紺玉帯残欠

中倉88 紺玉帯残欠 [こんぎょくのおびざんけつ]
(玉飾りの革帯(かわおび)) 1条
現存長156 幅3.3 巡方縦3.1 横3.6 丸鞆縦2.3 横3.3
前回出陳年=平成11年(東京・平成21年)

 紺玉(こんぎょく)すなわちラピスラズリで飾られた革帯(かわおび)。5片に分かれていたものを修理・接合した際に欠損部があったため、現状で2片に分離している。先端の鉸具(かこ)は銀製鍍金(ときん)、方形の巡方(じゅんぽう)、半円形の丸鞆(まるとも)、尾端の鉈尾(だび)はラピスラズリ製で、それぞれ革帯の裏面に銀製の座を取り付け、銀製の鋲で表から留められている。
 皇族あるいは高位の貴族の所持した最高級の帯と考えられ、あるいは刀子(とうす)等とともに東大寺の仏・菩薩(ぼさつ)に献納(けんのう)されたものかとも想像される。

螺鈿箱
螺鈿箱 身

中倉88 螺鈿箱
[らでんのはこ]
(紺玉帯(こんぎょくのおび)の箱) 1合
径25.8 高8.4
前回出陳年=平成11年(東京・平成21年)

 紺玉帯残欠(こんぎょくのおびざんけつ)を収めた木製、印籠蓋造(いんろうぶたづくり)の円形の箱。ヒノキ材を轆轤(ろくろ)で挽(ひ)いて成形しており、表面には黒漆(くろうるし)を塗布し、螺鈿(らでん)や、小四弁花文などの伏彩色(ふせざいしき)を施した水晶を用いて、唐花文様(からはなもんよう)や雲、鳥を表している。蓋表(ふたおもて)の中央の花弁には、文様の形に切り抜いた金板を漆で塗り込めた後に、文様部分の漆塗膜を?(は)ぎ取って文様を表す平脱(へいだつ)の技法が用いられている。内側には、表に暈繝(うんげん)地に小花葉文(かようもん)を表した経錦(たてにしき)を、裏には浅緑地目交纐纈文(もっこうこうけちもん)の?(あしぎぬ)をあしらった?(うちばり)を入れており、内外ともに大変煌(きら)びやかである。

金銀花盤
金銀花盤 部分
部分

南倉18 金銀花盤 [きんぎんのかばん]
(花形の脚付き皿) 1基
径61.5 高13.2 重4496
前回出陳年=平成21年

 六花形の銀製の皿で、宝庫伝来の盤の中ではもっとも大きく華麗な遺例。中央に大きく表された鹿は花状の角をもつ特徴的な姿で、正倉院宝物では紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)(北倉13甲)にも用いられているが、中国・唐(とう)代の工芸品にしばしば登場するモチーフである。裏面の銘文に中国固有の重量の単位が記されるなど、中国製である可能性がきわめて高い。その大きさと豪華な装飾から、遣唐使が唐から公式に賜(たまわ)った品との見方もある。

紫檀金鈿柄香炉
紫檀金鈿柄香炉 炉側面
炉側面

南倉52 紫檀金鈿柄香炉 [したんきんでんのえごうろ]
(柄付きの香炉) 1柄
長39.5 高7.6 炉径11.0
前回出陳年=平成19年

 持ち手の柄(え)がついた香炉を柄香炉と呼ぶ。香炉は金属製が多いが、本品は火種を入れる内炉などを除く主要部をシタン製とする珍しい作例。柄の末端に獅子形(ししがた)のおもしをつける「獅子鎮柄香炉(ししちんえごうろ)」と呼ばれる形式である。炉やそれを支える台座、柄の表面には金象嵌(きんぞうがん)で花卉(かき)、蝶、飛鳥などを表し、伏彩色(ふせざいしき)を施した水晶を嵌(は)めるなど華麗な装飾が見られる。その美しさは柄香炉の遺例の中でも随一である。天応元年(781)の光仁天皇(こうにんてんのう)崩御(ほうぎょ)に際して東大寺に施入(せにゅう)された可能性が指摘されている。