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特別陳列 覚盛上人770年御忌 鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興

 唐招提寺中興の祖と仰がれる覚盛上人(かくじょうしょうにん)は、鎌倉時代に叡尊(えいそん)等とともに戒律復興運動の中心となった僧侶です。唐招提寺の長老としての在任期間はわずか五年でしたが、その後の寺勢興隆の礎を築き、建長元年(一二四九)五月十九日に寿齢五十七で生涯を閉じました。今でも唐招提寺では、毎年、上人の命日である五月十九日に中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)が執行されています。一般には、同日の法要後におこなわれる「うちわまき」が知られていますが、これは、上人が肌にとまった蚊を殺生しなかった、その高い徳を讃えて蚊を払うための団扇(うちわ)が奉納された、という伝説に基づいています。
 本展は、今年(二〇一九年)で覚盛上人の入滅から七百七十年となるのを機に、上人の事績を顕彰するとともに、その前後に活躍した貞慶(じょうけい)、證玄(しょうげん)といった高僧にも触れ、鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興について紹介するものです。初出陳となる證玄骨蔵器をはじめ、貴重な品々をこの機会にぜひともご鑑賞ください。

重要文化財 釈迦如来立像(礼堂所在) 唐招提寺

重要文化財
釈迦如来立像(礼堂所在)
唐招提寺

会 期 平成31年2月8日(金)~3月14日(木)
会 場 奈良国立博物館 西新館
休館日 2月18日(月)・25日(月)
開館時間 午前9時30分~午後5時 ※ただし以下の日は開館時間を延長
※2月8日(金)、9日(土)は午後9時まで、2月10日(日)~14日(木)は午後8時30分まで(「なら瑠璃絵」開催期間中)
※毎週金・土曜日[2月8日(金)、9日(土)を除く]は午後8時まで
※3月3日(日)~7日(木)、10日(日)、11日(月)、13日(水)、14日(木)は午後6時まで(二月堂 お松明の期間)
※3月12日(火)は午後7時まで開館(二月堂 籠松明の日)
※いずれも入館は閉館の30分前まで
観覧料金
  一般 大学生
個人 520円 260円
団体 410円 210円

※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※団体料金は20名以上です。
※中学生以下の子どもと一緒に観覧される方は、団体料金が適用になります。[子どもといっしょ割引]
※2月22日(金)はご夫婦で観覧される方は半額となります。[夫婦の日割引]
※この観覧料金で、同時開催の特別陳列「お水取り」(東新館)、名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)・「珠玉の仏たち」(なら仏像館)・中国古代青銅器[坂本コレクション](青銅器館)もご覧になれます。
※2月24日(日)は天皇陛下御即位30年を慶祝し、無料観覧日といたします。

出陳品 21件(うち重要文化財12件)
◆出陳品一覧は こちらへ[PDF,248KB]
展覧会図録  A4版 56ページ 1,000円
*地下ミュージアムショップにて
 販売しております 。
*図録の購入はこちらへ 
図録
公開講座 ◇2月23日(土)「覚盛上人の事跡―唐招提寺中興―」
講師/野尻 忠 (当館学芸部企画室長)
※詳しくはこちらへ
関連催事 ◇2月16日(土) 親子ワークショップ「オリジナルうちわ作り」
主催 奈良国立博物館、唐招提寺
協力 仏教美術協会
チラシ 覚盛上人チラシ(PDF,1.3MB)

主な出陳品

※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。

重要文化財 法華曼荼羅

重要文化財 法華曼荼羅  1幅
[ほっけまんだら] 
奈良・唐招提寺
絹本著色 縦122.3cm 横86.2cm
鎌倉時代(14世紀)

『法華経(ほけきょう)』に説く、釈迦(しゃか)と多宝(たほう)の二仏が宝塔(ほうとう)内に並坐(びょうざ)する場面を中心に、密教の曼荼羅にならって構成されたもので、これは截金(きりかね)を交えた華やかな彩色が施された優品である。解脱上人貞慶(げだつしょうにんじょうけい)(1155~1213)が建仁3年(1203)に創始した唐招提寺の釈迦念仏会(しゃかねんぶつえ)において、本尊釈迦如来立像(にょらいりゅうぞう)の後方、貞慶の画像に対する位置に奉懸される。

重要文化財 大悲菩薩(覚盛)坐像

重要文化財 大悲菩薩(覚盛)坐像  1軀
[だいひぼさつ かくじょう ざぞう] 
奈良・唐招提寺
木造 彩色 像高86.7cm
室町時代 応永2年(1395)

唐招提寺中興(ちゅうこう)の祖と仰がれ、世に鑑真の再来とも謳(うた)われた覚盛(1193~1249)の像。像内墨書により、応永二年(1395)、成慶(せいけい)作とわかる。ヒノキ材の寄木造(よせぎづく)りで挿首(さしくび)とし、玉眼(ぎょくがん)を嵌(は)める。正面を見据えた威厳のある姿は、西大寺の興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)像(国宝。弘安三年〈1280〉)を手本としている。

重要文化財 覚盛願経 梵網経

重要文化財 覚盛願経 梵網経  2帖
[かくじょうがんきょう ぼんもうきょう] 
奈良・唐招提寺
紙本墨書 縦16.6cm 横9.5cm
鎌倉時代 寛元元年(1243)

寛元元年(1243)5月に覚盛が書写した写経。『梵網経』は、大乗戒(だいじょうかい)第一の経典として重視された。覚盛は、この写経の前後に『四分戒本(しぶんかいほん)』・『宝篋印陀羅尼経(ほうきょういんだらにきょう)』・『法華経(ほけきょう)』を書写し、少し間を置いて『唯識三十頌(ゆいしきさんじゅうじゅ)・大乗百法明門論(だいじょうひゃくほうみょうもんろん)・般若心経(はんにゃしんぎょう)』を書写している。これら一連の「覚盛願経」は、戒律復興(かいりつふっこう)の願いをこめた特別の写経であり、宝治元年(1247)7月に完成すると、唐招提寺で供養会(くようえ)がおこなわれた。

重要文化財 釈迦如来立像(礼堂所在)

重要文化財 釈迦如来立像(礼堂所在)  1軀
[しゃかにょらいりゅうぞう]
奈良・唐招提寺
木造 素地・截金 像高168.0cm
鎌倉時代 正嘉2年(1258)

唐招提寺礼堂内陣(らいどうないじん)の厨子(ずし)内に礼堂本尊として安置される釈迦如来像である。清凉寺(せいりょうじ)(京都市)の本尊釈迦如来像を原像とし、これを模刻(もこく)した作例(いわゆる清凉寺式釈迦如来像)の一つ。像内に大量の古文書(こもんじょ)が納入され、その内容から、本像は正嘉(しょうか)2年(1258)の作と考えられる。礼堂は、解脱上人貞慶(げだつしょうにんじょうけい)が建仁2年(1202)に東僧坊(ひがしそうぼう)の南半を改造したもので、その翌年に創始された釈迦念仏会(しゃかねんぶつえ)の場となった。この釈迦如来立像がつくられたのは、それから50年以上を経た後のこと。唐招提寺の運営を取り仕切っていたのは、覚盛の後を継いだ、中興(ちゅうこう)二世の證玄(しょうげん)であった。

西方院五輪塔(證玄墓)納置 證玄骨蔵器

西方院五輪塔(證玄墓)納置 證玄骨蔵器  1合
[さいほういんごりんとう しょうげんぼ のうち しょうげんこつぞうき]
奈良・西方院
銅製 総高33.8cm 径16.8cm
鎌倉時代 正応5年(1292)

覚盛(かくじょう)の後を継いで唐招提寺中興(ちゅうこう)二世となった證玄(しょうげん)(1220~1292)の遺骨を納めた銅製容器。円筒形の本体に、大きな宝珠(ほうじゅ)を乗せた蓋を嵌(は)め込み、本体側面には額縁付きの方形銘板(ほうけいめいばん)を取り付けている。本品は、唐招提寺の塔頭(たっちゅう)、西方院(さいほういん)の境内に建つ高2.59メートルの五輪塔(ごりんとう)の地下に埋納されていた。骨蔵器の存在は以前から知られていたが、このたび地上に取り出され、初めて一般に公開される。