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法徳寺の仏像

 法徳寺(ほうとくじ)は、奈良市十輪院町に位置する融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)の寺院です。本尊は平安時代後期にさかのぼる阿弥陀如来立像ですが、本展で注目するのは近年この寺に寄進された約30軀(く)の仏像です。これらは、かつてひとりの実業家が収集した仏像で、南都伝来あるいはそうと推測される作品が少なくありません。興福寺(こうふくじ)に伝来したとされる、いわゆる興福寺千体仏20軀をはじめ、明治39年(1906)に興福寺の境内(けいだい)で撮影された古写真(同寺蔵)のなかに姿が見出される地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう)、さらに鎌倉時代以降、南都を中心に広まりをみせた、いわゆる五髻(ごけい)文殊の優品である文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)など、個性豊かな像を多くふくんでいます。
 法徳寺の仏像群は、これまでその存在さえ認知されていなかった、いわば知られざる仏たちです。本展では、これら諸像を広く紹介するとともに、X線CTスキャン調査をはじめとした最新の調査成果もふまえて、その魅力に迫ります。
 

地蔵菩薩立像 (奈良・法徳寺)

地蔵菩薩立像
(奈良・法徳寺)

会 期 2019年7月13日(土)~9月8日(日)
会 場 奈良国立博物館 西新館
休館日 毎週月曜日、7月16日(火)
※ただし7月15日、8月5日、12日は開館
開館時間 午前9時30分~午後6時 
※ただし、金・土曜日は午後8時まで、8月5日(月)~8日(木)、11日(日・祝)~15日(木)は午後7時まで、8月9日(金)、10日(土)は午後9時まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
観覧料金
  一般 大学生
個人 520円 260円
団体 410円 210円

※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※団体料金は20名以上です。
※高校生以下および18歳未満の方と一緒に観覧される方は、団体料金を適用します。[親子割引]
※開館時間延長日の午後5時以降に観覧される方は、団体料金を適用します。[レイト割引]
※この観覧料金で、同時開催のわくわくびじゅつギャラリー「いのりの世界のどうぶつえん」(東新館)、名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)・「珠玉の仏たち」(なら仏像館)・中国古代青銅器[坂本コレクション](青銅器館)もご覧になれます。
※9月1日(日)は関西文化の日プラスのため入館は無料です。

出陳品 7件
名称 員数 品質形状 時代
1   文殊菩薩坐像 1軀 木造 彩色・截金 鎌倉時代(13世紀)
2   観音菩薩立像 1軀 銅造 鍍金 飛鳥時代(7~8世紀)
3   如来坐像 1軀 木造 古色 平安時代(10~11世紀)
4   菩薩立像 (興福寺千体仏) 20軀 木造 彩色・截金・漆箔 平安時代(12世紀)
5   飛天像 1軀 木造 漆箔 平安時代(12世紀)
6   持国天立像・増長天立像 2軀 木造 彩色・截金 鎌倉時代(13世紀)
7   地蔵菩薩立像 1軀 木造 古色 平安時代(11~12世紀)
展覧会図録  A4版 42ページ 1,000円
*地下ミュージアムショップにて
 販売しております 。
*図録の購入はこちらへ 
図録
公開講座 ◇8月24日(土)「近代を旅した仏たち―奈良ゆかりの仏像を中心に―」
講師/山口 隆介(当館学芸部主任研究員)
主 催 奈良国立博物館、法徳寺
協 力 仏教美術協会
チラシ 法徳寺の仏像チラシ(PDF,2.4MB)

主な出陳品 (所蔵はすべて法徳寺)

※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。

文殊菩薩坐像

文殊菩薩坐像  1軀
[もんじゅぼさつざぞう] 
木造 彩色・截金  像高36.8cm
鎌倉時代(13世紀)

南都を中心に信仰を集めた五髻(ごけい)を結う文殊菩薩で、春日若宮(かすがわかみや)の本地仏(ほんじぶつ)の可能性もある。まとまりのよい作風は、善円(ぜんえん)ら奈良を拠点に活動した仏師のそれに通じる。左足先は後補で、もとは踏み下げる姿だった。

観音菩薩立像

観音菩薩立像  1軀
[かんのんぼさつりゅうぞう] 
銅造 鍍金  像高23.6cm
飛鳥時代(7~8世紀)

頭上に化仏坐像(けぶつざぞう)を戴(いただ)く観音菩薩像。眉を連ねたりりしい顔立ちや伸びやかですらりとした姿態に特色がある。瓔珞(ようらく)の一部を手に取るしぐさは、島根・鰐淵寺(がくえんじ)観音菩薩立像に類例がみられる。日本画家・橋本関雪(はしもとかんせつ)の旧蔵品。

菩薩立像(興福寺千体仏)その1
その1
菩薩立像(興福寺千体仏)その20
その20
菩薩立像(興福寺千体仏)その3
その3

菩薩立像(興福寺千体仏)  20軀  
[ぼさつりゅうぞう (こうふくじせんたいぶつ)] 
木造 彩色・漆箔・截金
像高 [その1~19]35.5~39.8cm[その20]45.8cm
平安時代(12世紀)

一般に「興福寺千体仏」の名で知られる菩薩立像。法徳寺には20軀が伝わる。平安時代後期の穏和な様式を基調とするが形式・作風ともに多様で、その20は節仏(ふしぶつ)(節目の数で造られたとされる、やや大きめの像)と呼ばれる。

持国天立像
持国天立像
増長天立像
増長天立像

持国天立像・増長天立像  2軀
[じこくてんりゅうぞう・ぞうちょうてんりゅうぞう] 
木造 彩色・截金像高
[持国天]54.3cm [増長天]52.5cm
鎌倉時代(13世紀)

鎌倉時代に再興された東大寺大仏殿四天王像(だいぶつでんしてんのうぞう)のうちの持国天・増長天と形姿や身色が一致する。四天王像の2軀(く)が残ったものの可能性もある。彩色(さいしき)に截金(きりかね)と描線等の盛上げを交えた文様(もんよう)もみどころ。

地蔵菩薩立像

地蔵菩薩立像  1軀
[じぞうぼさつりゅうぞう] 
木造 古色  像高95.5cm
平安時代(11~12世紀)

奈良・興福寺に伝来した像で、明治時代末以降の所有者の変遷を比較的詳しくたどることができる。両目の見開きが大きい明瞭な顔立ちや、肩幅の広い充実した体つき、柔らかな衣文(えもん)は仏師定朝(じょうちょう)の作風を踏襲する。

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