鈴身(れいしん)部分と把(つか)・宝塔(ほうとう)部分とを別々に鋳造し接合した宝塔鈴。鈴身は白銅製で、側面に半肉状の五大明王坐像(ごだいみょうおうざぞう)を鋳だしている。不動明王(ふどうみょうおう)以外の尊名は特定しがたいが、不動、烏枢沙摩(うすさま)、降三世(ごうざんぜ)、軍荼利(ぐんだり)、大威徳(だいいとく)の五大明王を表したものかと推定される。明王はいずれも動きを抑えた大人しい表現に特徴があるが、近似する表現の明王像を有する金剛鈴(こんごうれい)を韓国・国立慶州博物館所蔵の金銅四大明王五鈷鈴(こんどうしだいみょうおうごこれい)や奈良・正暦寺所蔵の金銅二大明王五鈷鈴(こんどうにだいみょうおうごこれい)など高麗時代の明王鈴にも見ることができ、本品もこの時期の製作と推定される。わが国では鈴身を白銅製とする金剛鈴は鎌倉時代以降普及するが、高麗時代の金剛鈴にも類例が見られることは、わが国の白銅鈴の成立を考える上で興味深い。なお、把と宝塔部分、舌(ぜつ)は後補と推定される。東京国立博物館に類品が所蔵されている。
(内藤栄)
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, pp.32-33, no.16.
はくどうごだいみょうおうほうとうれい 白銅五大明王宝塔鈴
1口
鈴身:銅製 鋳造、把・宝塔:銅製 鋳造 鍍金
総高18.0 鈴身高7.0 口径6.2
金工
朝鮮半島・高麗時代 10~14世紀

- D047540

- D048422
- 2007/04/24
- 鈴身部側面(不動明王)

- D048424
- 2007/04/24
- 鈴身部側面(明王)

- D048426
- 2007/04/24
- 鈴身部側面(明王)

- D048428
- 2007/04/24
- 鈴身部側面(明王)

- D048430
- 2007/04/24
- 鈴身部側面(明王)

- D047540
- 2007/02/09
- 全体(不動明王)

- D001615
- 1988/02/15
- 側面(不動明王側)

- D001616
- 1988/02/15
- 側面(明王側)

- A029730
- 2007/04/24
- 鈴身部(不動明王)

- A029731
- 2007/04/24
- 鈴身部(明王)

- A029732
- 2007/04/24
- 鈴身部(明王)

- A029733
- 2007/04/24
- 鈴身部(明王)

- A029734
- 2007/04/24
- 鈴身部(明王)

- A308622
- 2007/02/09
- 全体(不動明王)

- A204718
- 1988/02/15
- 側面(不動明王側)

- A204719
- 1988/02/15
- 側面(明王側)

- A204720
- 1988/02/15
- 鈴身部側面(不動明王側)

- A204721
- 1988/02/15
- 鈴身部側面(明王側)

- A204722
- 1988/02/15
- 鈴身部側面(明王側)

- A204723
- 1988/02/15
- 鈴身部側面(明王側)

- A204724
- 1988/02/15
- 鈴身部側面(明王側)

- A204725
- 1988/02/15
- 鈴身部側面斜上(明王側)

- A204726
- 1988/02/15
- 杵部側面(宝塔部に梵字有)

- A204727
- 1988/02/15
- 杵部側面(宝塔部に梵字有)

- A200244
- 1987/12/23
- 全体(不動明王面)
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収蔵品番号 | 1409-0 |
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部 門 | 工芸 |
区 分 | 金工 |
部門番号 | 工330 |
寄 贈 | 服部和彦氏寄贈 |
文 献 |