四肢を折って蹲(うずくま)る水牛の背に坐す、六臂六足(ろっぴろくそく)の大威徳明王(だいいとくみょうおう)像。五大明王のなかの一尊として西方に配されることも多いが、大分・真木区や滋賀・石馬寺像などの単独尊の作例も少なくない。本像はその持物を失うが、左方には戟(げき)や輪索(りんさく)、右方には剣や棒を持ったと思われる。像本体と水牛は別製で、また明王像の腕等も別鋳である。独尊の場合、調伏法(ちょうぶくほう)の本尊ともなりうるが、平安時代後期以降、経軌(きょうき)に勝軍法を説くところから、戦勝祈願のための造立の事例も多い。穏やかな作風はいかにも平安時代後期のそれである。
(岩田茂樹)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2010, p.121, no.163.

- H015714

- H050031
- 2019/09/17
- 正面(水牛共)

- H050032
- 2019/09/17
- 左側面(水牛共)

- H050033
- 2019/09/17
- 右側面(水牛共)

- H050034
- 2019/09/17
- 正面右斜(水牛共)

- H015714
- 2012/02/27
- 正面右斜

- H015717
- 2012/02/27
- 正面左斜

- H015725
- 2012/02/27
- 正面左斜(黒バック)

- D029849
- 2002/01/25
- 正面左斜

- A242210
- 2002/01/25
- 正面左斜
もっと見る
収蔵品番号 | 1306-0 |
---|---|
部 門 | 彫刻 |
区 分 | 彫刻 |
部門番号 | 彫125 |
文 献 | なら仏像館 名品図録. 奈良国立博物館, 2013, 168p.なら仏像館 名品図録. 奈良国立博物館, 2012, 168p.なら仏像館 名品図録. 奈良国立博物館, 2010, 160p. |