五鈷杵を縦に割って組み合わせる特殊な法具。銅製で、一方にのみ鍍金(ときん)が施され、他方は鍍金されていない。醍醐寺三宝院流の諸尊法『遍口鈔(へんくしょう)』には、割五鈷杵を組み合わすことを男女の和合に見立て、男女の仲を結ぶ作法がある愛染明王法(あいぜんみょうおうほう)に用いるよう説かれている。また、割五鈷杵を密教の二大世界(金剛(こんごう)界と胎蔵(たいぞう)界)に見立て、結合を両界が融合した境地(金胎不二(こんたいふに))の象徴ともされた。密教法具には胎蔵界用を鍍金し、金剛界用に鍍金を施さない例があるが(例:徳島・持福寺所蔵の金胎両界三昧耶形五瓶)、この割五鈷杵もその例に数えることができよう。
(内藤栄)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.263, no.127.
こんどうわりごこしょ(こんどうみっきょうほうぐのうち) 金銅割五鈷杵(金銅密教法具のうち)
1口
金銅製
総長14.4 把長5.6 鈷長4.2
鎌倉時代 13世紀

- D039423

- D039423
- 2004/12/10
- 全体(脇鈷が3つ見える角度)

- D039427
- 2004/12/10
- 分割状態

- A028399
- 2004/12/10
- 全体(脇鈷が3つ見える角度)

- A028401
- 2004/12/10
- 分割状態

- A219432
- 1997/06/03
- 全体(脇鈷が3つ見える角度)

- A219434
- 1997/06/03
- 全体(脇鈷が2つ見える角度)

- A219435
- 1997/06/03
- 分割状態
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収蔵品番号 | 1218-3 |
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部 門 | 工芸 |
部門番号 | 工257 |
文 献 |
関連する文化財
収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
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1218-0 |
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金銅密教法具 |
1218-1 |
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金銅独鈷杵(金銅密教法具のうち) |
1218-2 |
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金銅五鈷杵(金銅密教法具のうち) |
収蔵品番号 | 1218-0 |
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画 像 |
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名 称 | 金銅密教法具 |
収蔵品番号 | 1218-1 |
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画 像 |
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名 称 | 金銅独鈷杵(金銅密教法具のうち) |
収蔵品番号 | 1218-2 |
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画 像 |
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名 称 | 金銅五鈷杵(金銅密教法具のうち) |