工芸
春日神鹿舎利厨子
かすがしんろくしゃりずし
1基
木製黒漆塗 (神鹿)銅鋳製 鍍金
総高37.2 神鹿舎利容器11.7(cm)
南北朝時代(14世紀)
二重基壇にのった木製黒漆塗りの宮殿形厨子で、正面に観音開き扉を開けている。内部には木製漆箔の飛雲形台座に立ち、背の鞍に宝珠形舎利容器をのせた神鹿を安置している。舎利容器は反花(かえりばな)・華盤(けばん)・蓮華座を重ねた金銅製打出しの台座にのり、宝珠は水晶製で三方に金銅製の火焔を付している。この姿は武甕槌命(たけづちのみこと)(春日明神)が鹿の背にのって影向(ようごう)したさまを表しており、神鹿の背に舎利を奉安したことは武甕槌命の本地を釈迦如来とする発想に基づいている。鎌倉時代以降、京都・笠置寺の貞慶(じょうけい)や同・高山寺の明恵(みょうえ)たちによって鼓吹された舎利信仰と春日信仰との融合を見ることができるとともに、宝珠形を舎利容器として用いた点に舎利と宝珠を等しいものと考える真言密教の影響も看取される
。


