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信貴山縁起絵巻

 毘沙門天王の聖地として聖徳太子により創建されたと伝えられる信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)。その篤い信仰のもとに制作された国宝 信貴山縁起絵巻は、日本三大絵巻の一つに数えられる平安絵画の名品として知られています。山崎長者巻、延喜加持巻、尼公巻の全三巻には、鉢が空を飛び米俵が舞い上がる、剣をまとう童子が大空を駆けめぐるといった摩訶不思議なストーリーが、躍動感あふれる画面の中に次々と展開します。
 本展覧会は、この人々を魅了してやまない信貴山縁起絵巻の全貌を一堂に紹介し、その寺院縁起としての意義を朝護孫子寺の信仰の歴史の中に位置づけようとするものです。全会期中を通じて三巻すべての場面を同時公開する史上初めての試みであり、国宝絵巻の魅力を心ゆくまでご堪能いただけるまたとない機会となります。さらに、朝護孫子寺の寺宝の数々を関連する寺外の名品とともに公開することで、信貴山毘沙門天王への信仰が生み出した造形の魅力にも迫ります。

国宝 信貴山縁起絵巻 山崎長者巻

国宝 信貴山縁起絵巻
山崎長者巻(部分)
(朝護孫子寺蔵)

         
会 期 平成28年4月9日(土)~5月22日(日)
会 場 奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日 毎週月曜日 ※ただし5月2日(月)は開館
開館時間 午前9時30分~午後5時
※4月29日以降の毎週金曜日は午後7時まで
※入館は閉館の30分前まで
観覧料金
  一般 高校・大学生 小・中学生
当日 1,300円 900円 500円
前売・団体 1,100円 700円 300円

※前売券の販売は、3月1日(火)から4月8日(金)までです。
※観覧券は、当館観覧券売場のほか、近鉄の主要駅、近畿日本ツーリスト、JR東海ツアーズ、日本旅行、ローソンチケット(Lコード55781)、セブン―イレブン、チケットぴあ(Pコード767-287)、イープラスなどで販売予定。
※団体は20名以上です。
※障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※この料金で、名品展(なら仏像館・青銅器館)も観覧できます。
※なら仏像館は4月29日(金・祝)以降、観覧可能となります。
※なら仏像館リニューアルオープン一般公開前(4月28日(木)まで)に信貴山展を観覧された方は、同展の期間中、信貴山展観覧券の半券提示により、なら仏像館も観覧していただけます。
奈良国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を400円でお求めいただけます。観覧券売場にてキャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示ください。

出陳品 出陳品 約78件(うち国宝約8件、重要文化財約16件)
◆出陳品一覧はこちらへ[PDF,167KB]
展覧会図録  A4版 250ページ 2,100円
*西新館1階会場内および、地下ミュージアムショップにて販売しております 。
*図録の購入はこちらへ
 
図録
音声ガイド 音声ガイド(日本語のみ)は、 520円でご利用いただけます。
会場受付にてお申し付けください。
公開講座 4月23日(土)「後白河法皇の信仰世界―神仏との交歓―」
横内裕人氏(京都府立大学准教授) → 終了いたしました
5月7日(土)「信貴山縁起絵巻と朝護孫子寺の毘沙門天王信仰」
谷口耕生(当館学芸部教育室長) → 終了いたしました
5月21日(土)「信貴山縁起絵巻について」
梶谷亮治氏(当館名誉館員)
※詳しくはこちらへ
関連イベント 朝護孫子寺による講話   
4月22日(金)「毘沙門天王信仰の欲と徳」
鈴木貴晶師(朝護孫子寺成福院貫主)  → 終了いたしました
5月10日(火)「信貴山の毘沙門天王」
田中眞瑞師(朝護孫子寺千手院貫主)  → 終了いたしました
5月12日(木)「福の神様 毘沙門天王」
野澤密孝師(朝護孫子寺玉蔵院貫主)  → 終了いたしました

※いずれの回も、午後1時30分~3時(午後1時に開場し、入場券を配付します)。
当館講堂にて。定員194名(先着順)。聴講無料。               
※入場の際には本展の観覧券もしくはその半券、各国立博物館パスポート等をご提示ください。            
親と子のワークショップ 『空とぶ鉢』のおはなし絵巻をつくろう!
日時:4月30日(土) ①午前10時~12時 ②午後1時30分~3時30分
会場:当館講堂
対象:小学1年生~6年生とその保護者(各回20組40名 事前申込み・先着順)
料金:1組につき材料費500円
応募はWEBもしくは往復はがきから、4月9日(土)~4月25日(月)必着
※定員になり次第、募集は締め切らせていただきます。
 → 終了いたしました
信貴山真華流によるいけばなの展示
本展会期中、当館西新館1階にて信貴山真華流による「いけばな」を展示します。
※ご覧いただくには、本展の観覧券が必要です。
スタンプラリー
展覧会会期中、本展と朝護孫子寺を巡るスタンプラリーを実施します。
スタンプは、朝護孫子寺内の5か所と本展の合計6か所に設置されています。
すべてのスタンプを集めた方には記念品をプレゼントします。

スタンプラリー台紙 [PDF, 1.5MB]
主催 奈良国立博物館、総本山朝護孫子寺、読売新聞社
後援 文化庁、東京藝術大学、NHK奈良放送局、奈良テレビ放送
協賛 岩谷産業、非破壊検査
協力 信貴山観光協会、日本香堂、仏教美術協会
チラシ 信貴山縁起絵巻チラシ(PDF,2.3MB)

主な出陳品

※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。

山崎長者巻 延喜加持巻 尼公巻

国宝 信貴山縁起絵巻
信貴山朝護孫子寺の中興開山・命蓮(みょうれん)上人にまつわる奇跡譚を全3巻に描く平安絵巻。各巻の物語はいずれも信貴山の本尊毘沙門天王の霊験に由来するとみられ、初期の社寺縁起絵巻の姿を伝える。躍動感あふれる線描によって人物をいきいきと描き出し、視点を大きく変化させながら連続的に場面を展開する構成はアニメーションを見るかのようである。金や銀、群青など高価な顔料をふんだんに用いており、都の有力者が制作に関わった可能性が高い。


山崎長者巻
[やまざきちょうじゃのまき]
奈良・朝護孫子寺
紙本著色 縦31.8cm 長879.8cm
平安時代(12世紀)

命蓮が托鉢のために法力で飛ばした鉢が、山崎の長者の米倉をのせたまま空に舞い上がり、信貴山まで運んでしまう。鉢を追いかけて信貴山に至った長者に対して命蓮は米俵だけを返すことを約し、鉢にのせた米俵は連なるように空を飛んで長者の家の庭に落ちたという。この飛鉢法(ひはつほう)は千手観音の秘法として知られており、平安時代には観音と同体とされた毘沙門天と米にまつわる仏教説話も作られた。


延喜加持巻
[えんぎかじのまき]
奈良・朝護孫子寺
紙本著色 縦31.8cm 長1285.4cm
平安時代(12世紀)

延喜(えんぎ)の帝(みかど)(醍醐天皇(だいごてんのう))が患った重い病の平癒を命蓮に加持祈祷させるよう、都から信貴山に向けて勅使が派遣された。命蓮は信貴山に留まって加持祈祷を行い、その成就の証として遣わした護法童子(ごほうどうじ)が金輪(きんりん)を転じながら帝のもとに飛来し、帝の病は無事平癒したという。毘沙門天王の使者である飛行夜叉が金輪を国王の頂上に掲げてその寿命を延ばすという、『雑譬喩経(ぞうひゆぎょう)』所載の説話を反映する。


尼公巻
[あまぎみのまき]
奈良・朝護孫子寺
紙本著色 縦31.4cm 長1423.0cm
平安時代(12世紀)

信濃出身の尼公が、東大寺で受戒(じゅかい)するために故郷を出た弟の命蓮を捜し尋ねて大和へと旅立つ。東大寺大仏殿で一晩祈り、大仏のお告げによって信貴山にたどり着いた尼公は、弟と感動の再会を果たしたという。東大寺大仏殿と信貴山の雄大な姿は、東大寺裏手の若草山山頂から信貴山を遙拝(ようはい)する行をおこなっていたという南都の修験者たちのまなざしを反映しているのかもしれない。

重要文化財 金銅鉢

重要文化財 金銅鉢
[こんどうはつ]
奈良・朝護孫子寺
銅製 鍛造 鍍金
口径25.1cm 最大径28.5cm 高15.1cm
平安時代 延長7年(929)

銅板を打ち出して成形し、鍍金を施した仏前供養用の鉢。線刻銘より、延長7年(929)に寛運が聖徳太子の宝前に施入したことがわかる。延長年間には寺堂の整備が行われており、その一環での施入であろう。信貴山における聖徳太子信仰を考える上で重要である。なお、この折の復興は命蓮(みょうれん)が主導しており、後世の飛鉢(ひはつ)譚との関係も注意される。

国宝 粉河寺縁起絵巻

国宝 粉河寺縁起絵巻
[こかわでらえんぎえまき]
和歌山・粉河寺
紙本著色 縦30.8cm 長1984.2cm
平安時代(12世紀)

紀伊粉河寺の本尊千手観音の出現とその霊験を描くもので、平安時代にさかのぼる社寺縁起絵巻の名品として信貴山縁起絵巻と並び称される。蓮華王院宝蔵(れんげおういんほうぞう)にあったという「粉河観音絵」が本巻に該当し、蓮華王院小千手堂の本尊が粉河寺千手観音像の残材を用いて造立された安元2年(1176)頃の成立とみる説がある。蓮華王院宝蔵に数多くの絵巻を納めて愛好したという後白河法皇(ごしらかわほうおう)の制作への関与も指摘される。

国宝 辟邪絵

国宝 辟邪絵
[へきじゃえ]
当館
紙本著色
天刑星 縦26.0cm 横39.2cm  栴檀乾闥婆 縦25.8cm 横77.2cm
神虫 縦25.8cm 横70.0cm  鍾馗 縦25.9cm 横45.2cm
毘沙門天 縦25.8cm 横76.5cm
平安~鎌倉時代(12世紀)

現在、5幅に分かれているが、本来は一巻の絵巻を成し、「地獄草紙」とも呼ばれていた。実業家の益田鈍翁旧蔵。各幅には、古来中国で信仰された善神たち、すなわち天刑星(てんけいせい)、栴檀乾闥婆(せんだんけんだつば)、神虫(しんちゅう)、鍾馗(しょうき)、毘沙門天がそれぞれ邪鬼を退治する場面が表されている。なかでも毘沙門天幅は、法華経持者に近づく邪鬼に弓矢を放ち、追い払う毘沙門天を描く。

兜跋毘沙門天王立像

兜跋毘沙門天王立像
[とばつびしゃもんてんのうりゅうぞう]
奈良・朝護孫子寺
銅造 像高17.2cm
平安時代(10世紀)

像高5寸余りの金銅仏(こんどうぶつ)で、寺伝に山崎長者の念持仏(ねんじぶつ)という。円筒形の宝冠(ほうかん)を被(かぶ)り、外套(がいとう)(袖のついた丈長の衣)のような甲(よろい)を着ける姿は、西域に起源をもついわゆる兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)の特色をそなえるが、唐からの将来とされる京都・東寺像に比べて甲の形式に西域風が色濃い。甲の小札(こざね)をはじめ、腰当(こしあて)や尻当(しりあて)に細緻な彫技であらわされた宝相華文(ほうそうげもん)や鳳凰文(ほうおうもん)もみどころ。

重要文化財 聖徳太子童形坐像(伝七歳像)

重要文化財 聖徳太子童形坐像(伝七歳像) 円快作
[しょうとくたいしどうぎょうざぞう]
奈良・法隆寺
木造 彩色 像高57.9cm
平安時代 治暦5年(1069)

法隆寺の東院絵殿(えでん)北隅の相殿本尊として安置されていた童形(どうぎょう)の太子像である。像内の銘文により仏師円快(えんかい)と絵師秦致貞(はたのちてい)が制作したことがわかる。仏師円快は信貴山の僧であることが知られ、信貴山を拠点とした仏師の存在と、信貴山と法隆寺や聖徳太子信仰との関わりを示す貴重な遺例である。