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おん祭と春日信仰の美術

 春日若宮おん祭は、長承4年(1135)の若宮社御遷座(ごせんざ)を承(う)け、翌保延2年(1136)に始まったとされます。その後、祭日が変わることはあっても絶えることなく現代まで続き、今年の12月17日で881回を迎えます。
 おん祭では、若宮神が一日だけ御旅所(おたびじょ)に遷座されますが、そのもとに芸能者や祭礼の参加者が詣(もう)でる風流行列(ふりゅうぎょうれつ)が有名です。この行列は平安時代以来、時々の風俗や流行を採り入れながら続けられてきました。  
 本展覧会は、おん祭の歴史と祭礼を取り上げ、あわせて春日信仰に関する美術を紹介する恒例の企画です。本年は、華やかな風流行列の様子を描く絵巻を多く展示するとともに、江戸時代のおん祭を支えた、奈良奉行所(ならぶぎょうしょ)のかかわりをご紹介します。

春日若宮御祭礼絵巻 下巻(奈良・春日大社)

春日祭礼之図 上巻 (奈良・春日大社)

会 期 平成28年12月10日(土)~平成29年1月15日(日)
会 場 奈良国立博物館 東新館
休館日 月曜日、1月1日(日・祝)、10日(火)
※ただし1月2日(月)、9日(月)は開館
開館時間 午前9時30分~午後5時
※12月30日、31日を除く、金・土曜日は午後8時まで開館
※入館は閉館の30分前まで
観覧料金
  一般 大学生
個人 520円 260円
団体 410円 210円

※団体は責任者が引率する20名以上です。
※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※子ども(中学生以下)と一緒に観覧される方[子どもといっしょ割引]・冬休み期間(12・1月)で、開館時間延長日の午後5時以降に観覧される方[レイト割引]は、団体料金が適用になります。
※この観覧料金で、同時開催の名品展「珠玉の仏たち」(なら仏像館)・「珠玉の仏教美術」(西新館、12月10日より開催)・中国古代青銅器[坂本コレクション](青銅器館)、特集展示「新たに修理された文化財」(西新館、12月23日より開催)もご覧になれます。
※おん祭お渡り式の日〔12月17日(土)〕はどなたでも無料でご覧になれます。
※成人の日〔1月9日〕は、今年度に成人を迎えられた方の観覧料が無料となります。
※平成29年1月2日(月)~5日(木)に春日大社で配布される小型チラシをご持参の方は、この4日間に限りおん祭展を無料で、なら仏像館を割引料金でご観覧いただけます。

出陳品 40件
※会期中、展示替えを行います。
◆出陳品一覧はこちらへ[PDF,116KB]
展覧会図録  A4版 80ページ 1,500円
*地下ミュージアムショップにて
 販売しております 。
*図録の購入はこちらへ 
図録
公開講座 ◆平成29年1月15日(日)「奈良奉行と春日若宮祭礼」
大宮 守友氏(氷室神社文化興隆財団代表理事)
※詳しくはこちらへ
主催 奈良国立博物館、春日大社、仏教美術協会
チラシ

おん祭チラシ(PDF,865KB)

・チラシ・ポスターの誤表記に関するお詫びと訂正

主な出陳品

※画像をクリックすると、より大きな画像が表示されます。

鹿島立神影図 [かしまだちしんえいず]

鹿島立神影図
[かしまだちしんえいず]
奈良・寳山寺
絹本著色 江戸時代 宝永2年(1705)

春日一宮の神、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、白鹿に乗って常陸国(ひたちのくに)を出立し、奈良の御笠山(みかさやま)に来臨した、という伝説に基づく礼拝像。中央に見える神鏡には、春日五社の本地仏(ほんじぶつ)も描かれる。

春日赤童子像 [かすがあかどうじぞう]

春日赤童子像
[かすがあかどうじぞう]
個人
絹本著色 室町時代(15~16世紀)

法相宗(ほっそうしゅう)を護(まも)る春日明神(かすがみょうじん)の姿として興福寺僧を中心に盛んに礼拝された忿怒相(ふんぬそう)・赤肉身の童子像。中世において春日若宮神人(じにん)でもあった符坂油座(ふさかあぶらざ)(奈良市油阪町)の座衆を継承する苻坂家(ふさかけ)に伝来した。

春日若宮御祭礼絵巻 [かすがわかみやごさいれいえまき]

春日若宮御祭礼絵巻
[かすがわかみやごさいれいえまき]
奈良・春日大社
紙本著色 江戸時代(17世紀)

おん祭の様子を描いた三巻からなる長大な絵巻。中巻には、芸能者らが行列をなす華やかなお渡り式の様子を詳細に表す。「影向(ようごう)の松」の前で行われる松の下式や、その側で祭礼を見守る奈良奉行所(ならぶぎょうしょ)の役人達の様子まで描かれている。

春日祭図 [かすがさいず]

春日祭図
[かすがさいず]
奈良・春日大社
紙本著色 江戸時代 文化9年(1812)

興福寺薪能(こうふくじたきぎのう)と、おん祭お渡り式(風流行列(ふりゅうぎょうれつ))を描く絵巻。斜め構図の使用や自由な描写から、おん祭を描いた絵巻の中でも異色の作例として知られる。筆者は、京の絵師・矢野夜潮(やのやちょう)である。

御役所絵図 [おやくしょえず]

御役所絵図
[おやくしょえず]
個人
紙本墨書 江戸時代 明和4年(1767)

江戸時代、南都(なんと)を管轄(かんかつ)した奈良奉行所(ならぶぎょうしょ)の平面図。奉行所は、現在の奈良女子大学の場所に置かれていた。東に門を開き、南東部分が役所としての公的空間、中央部西側には奉行の居室などが配置される。中門を入った広場南側の蔵には、おん祭の行列に使われる鑓(やり)が収納されていた。

春日若宮祭礼書類 [かすがわかみやさいれいしょるい]

春日若宮祭礼書類
[かすがわかみやさいれいしょるい]
京都大学附属図書館
紙本墨書 江戸時代 天保9年(1838)

奈良奉行所与力(ならぶぎょうしょよりき)であった橋本政孝(はしもとまさたか)が記したおん祭の記録。祭礼の準備段階から終了に至るまで奉行所が関わる事柄について、各場面での奉行所役人の動きや、様々なケースへの対応など、平面図を多く交えながらまとめる。

興福寺講堂曼荼羅 [こうふくじこうどうまんだら]

興福寺講堂曼荼羅
[こうふくじこうどうまんだら]
奈良国立博物館
絹本著色 鎌倉時代(13世紀)

上部に春日社の神体山である御蓋山(みかさやま)、下部に春日社参道にかかる馬止橋(まどめのはし)、中央に興福寺で特に重視された講堂(こうどう)安置の諸尊(阿弥陀三尊(あみださんぞん)、維摩(ゆいま)・文殊(もんじゅ)、四天王(してんのう))を配し、春日社と興福寺が一体で信仰された姿を象徴する。

春日毘沙門天曼荼羅 [かすがびしゃもんてんまんだら]

春日毘沙門天曼荼羅
[かすがびしゃもんてんまんだら]
奈良国立博物館
絹本著色 室町時代(16世紀)

御蓋山(みかさやま)・春日山を遠景に配し、春日の地主神、榎本社(えのもとしゃ)の本地仏(ほんじぶつ)として表された毘沙門天像。左右には侍者の吉祥天(きちじょうてん)・善膩師童子(ぜんにしどうじ)、前方には使者のムカデを描く。藤のかかる鳥居(とりい)は榎本社近くの藤鳥居であろう。

春日鹿曼荼羅 [かすがしかまんだら]

春日鹿曼荼羅
[かすがしかまんだら]
奈良・西城戸町
絹本著色 南北朝時代(14世紀)

春日の山並みを背景として春日神の使いである神鹿(しんろく)を大きく描く。体毛を細緻に表すなど優れた描写を示し、春日鹿曼荼羅(しかまんだら)の古本として貴重。元和4年(1618)には西城戸町(にしじょうどちょう)の春日講(しゅんにちこう)本尊だったことが知られる。

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