名品紹介 彫刻

  重要文化財
十一面観音立像
 

 

 

十一面観音立像

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 正面
 右斜
 頭部正面
 頭部左側面

じゅういちめんかんのんりゅうぞう

1躯
木造
像高42.8(cm)
奈良時代(8世紀)

 

 白檀一材より頂上仏面から蓮肉下に造り出した円筒形のほぞまでを彫り出すという、典型的な檀像(だんぞう)。別材で作られた反花以下の台座に、円筒形のほぞを差し込んで立つ。髻の後半の他、瓔珞(ようらく)の一部や、蓮弁の子葉(しよう)などに別材を足している。この点は、全てを一材から彫出する法隆寺九面観音像等の檀像と異なる点である。檀像の日本的な展開と言えようか。
 面相は目鼻立ちをはっきりと表して表情は明るく、側面観において後頭部より正面部を広くあらわす点、両腕と体部の間を広くとる体形などは、天平彫刻にみられるもので、制作期もその頃に遡るものと考えられる。像容では、頭頂面で右方の牙上出面が笑みを含んでいるかに見えることは、十一面観音経典の中でも初期の漢訳経の記載に基づくものであることが指摘されている。また頂上面を地髮から生え出たように表し、髻をその後ろに置くこと、裳裾で裳の下にさらに別の下裳を着けるかに表す点など特異な表現がみられる。

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