1 - 8件を表示/全8件
比叡山(ひえいざん)の東麓に鎮坐し、延暦寺(えんりゃくじ)の鎮守社として発展した日吉神社(ひよしじんじゃ)(山王社)の景観を主要素とする礼拝画。東西両本宮をはじめとする、山王二十一社の社殿を、情感的に描かれた自然景に埋没せぬ明瞭さで詳細に描写し、現実性を全面に押し出している。神仏習合思想の中で作り上げられた教説である本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)による、超越者である仏が仮にこの世に現れた存在という神の性格を、神社の実景描写をもって表したものである。図の上部には別に区劃を設け、二十一社の祭神・本地仏・種子を並べる。各像に名称の短冊形を付すのは説明的で、尊像の存在感を損ないかねない。それは各社殿についても同様であり、宮曼荼羅としては時代の下降により、礼拝画たる重厚さの薄れる傾向は認めざるを得ない。画面と連続する絹地に描表具(かきひょうぐ)を施しており、当初からの掛幅の形態をよく残していることは貴重である。背面の貼紙の墨書によって、文安4年(1447)に相伝されるまでは比叡山西塔西谷にあったことが判る。
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.321, no.184.
| 収蔵品番号 | 732-0 |
|---|---|
| 部門 | 絵画 |
| 区分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵146 |
| 銘文 | 旧背面貼付紙墨書「文安四年甲子卯月書之 自西塔西谷相伝之/天正二年甲戌十月十九日 修理裏付/開眼法師長瑜 七十五歳 日輪院/(別筆)寛永三丙寅天求之法印山海内供奉」 |
| 図録 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 仏教絵画篇 |
| 図版・文字掲載ページ | 107/165 |
| 指定名称 | 絹本著色日吉山王宮曼荼羅図 |
| 指定番号 | 絵2009 |
| 指定年月日 | H16.6.8 |
| 文献 |
神仏習合:かみとほとけが織りなす信仰と美. 奈良国立博物館, 2007, 333p. 親と子のギャラリー 古地図を読みとく. 奈良国立博物館, 2004, 32p. 奈良国立博物館蔵品図版目録 仏教絵画篇. 奈良国立博物館, 2002, 169p. 奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, 350p. 山岳信仰の遺宝. 奈良国立博物館, 1985, 240p. |

