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収蔵品データベース

薬師如来坐像

国宝

やくしにょらいざぞう

薬師如来坐像 
1躯

木造 榧材 一木造 素地 彫眼 坐像
像高49.7
平安時代 9世紀
 

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 もと京都・東山の若王子社(にゃくおうじしゃ)に安置されていた像。両手首先や螺髪(らほつ)などを除き、台座蓮肉部までを含めて、カヤの一材から造り、内刳(うちぐり)は行わない。抑揚に富んだ造形で、着衣のひだの彫りもまことに流麗かつシャープである。容貌にはどこかインド的な面影がただよう。様式からみて制作期は9世紀の半ば頃と考えられる。若王子社は12世紀に勧請(かんじょう)されているので、本像の造立当初の安置場所は不明。表面に黄土が塗られ、ビャクダンの樹肌に似せたいわゆる檀色像(だんじきぞう)とする説があるが、一部、黄土の上にさらに漆箔(しっぱく)が認められる。
 
なら仏像館 名品図録. 奈良国立博物館, 2010, p.99, no.125. 

 京都東山の若王子(にゃくおうじ)社の本地仏と伝えられ、明治の神仏分離の際に民間に流れ、のち国有になった像である。伏し目の表情、なで肩で適度な張りと厚さの脚部など、落ち着いた気分が全体に漂う。しかし、目や口の彫り込み、衣文線の鋭く自由な彫技は力強く、耳や足裏などにも生彩ある表現が見られる。構造などは京都・東寺講堂の五菩薩像と近いが、よりまとまった観があるのは、東寺像より遅れおおよそ9世紀半ば頃の製作と考えられる。また大阪・四天王寺阿弥陀如来坐像が最も近しい表現をみせる像として注目される。  カヤの一材より蓮肉を含めて彫成し、内刳(うちぐり)は施さない。木心は蓮肉前方先端の中央にある。これに木製の螺髪(らほつ)を植え付け、両手先を矧ぎ付ける。蓮肉部では背面に二枚の光背様L型金具を取り付けていた痕跡があり、底部の一部が切り取られる。現在の八重蓮華座は新補。
 
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.293, no.75. 

収蔵品番号 645-0
部門 彫刻
区分 彫刻
部門番号 彫10
伝来 若王子社(京都)伝来、松田福一郎旧蔵、長尾美術館旧蔵
図録 奈良国立博物館蔵品図版目録 彫刻篇
図版・文字掲載ページ 12-13/101
指定名称 木造薬師如来坐像
指定番号 彫国64
指定年月日 S28.3.31国宝 S6.12.14重文
文献 神仏習合:かみとほとけが織りなす信仰と美. 奈良国立博物館, 2007, 333p.
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, 350p.
檀像:白檀仏から日本の木彫仏へ. 奈良国立博物館, 1991, 211p.
奈良国立博物館蔵品図版目録 彫刻篇. 奈良国立博物館, 1989, 111p.
大和の古代美術:渡来文化受容のかたち. 奈良国立博物館, 1988, 160p.
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